Carmenにハマってしまった・・・(笑)―オーディオ的には「センターSP考」かな?
これはどこかにチラッと書いたような気がしますが、9月下旬にDonguriさんとともに、八ヶ岳の「やまびこホール」で開催された、オペラ『カルメン』に行ってきました。
正直申し上げると、これはDonguriさんのお連れ合いが参加される「市民オペラ」で、いくらメインの歌手はプロのオペラ歌手が来るとはいえ、音楽的にはあまり期待していなかったのですが、全体的に期待以上のクオリティでした。特に感激したのは、カルメン役を演じ・歌った堀 万里絵さんという方。
本番の写真は不可だったので、パンフからの写真ですが、この方の「カルメン」は、私が『カルメン』のレコード(当時=ベータ時代=は大学生の一人暮らしでビデオは買えなかった…売ってたのかな?)を<レンタルレコード屋=懐かしい響き!>で借りて初めてまともに聴いて以来、ずっとイメージしてきた「カルメン」、そのままだったんです!!!
そのレコードとは、カラヤン&ベルリン・フィルにパルツァ&カレーラスという、超定番のやつで、オペラ好きの方なら必ずお持ちではないでしょうか?(X1さん、今度お邪魔したときはこれのアナログレコード、聴かせて下さい!)
で、このジャケットの写真にある、ちょっと顎をあげた高慢そうな(笑)「カルメン」が私のカルメン像の<アーキタイプ>となったのですが、残念ながらその後、NYのMETでも、NHK(BS?)の番組でも、どの「カルメン」を見ても、肉感的で色気満々のちょっと蓮っ葉な悪女イメージの方ばかりで、「いやあ、僕のカルメンはこれじゃないんだなあ。歌はうまいんだけど、見た目が・・・」という満たされない思いを抱き続けていたのです。それがなんと!こんな鄙(Donguriさん、すみません!)で今になって巡り会えるとは!!!
つまり、私が勝手にあのジャケットからイメージを膨らませていた「カルメン」は、背が高くスラッとしていて、高貴な顔立ちなのに冷たい怪しい色気おばけの気の強い女(笑)。こういう二律背反する魅力を備える人が、まさにAddictedな<悪女>だと思いません?(笑)
そのような魅力を備えた女性を演じておられた(と私には思えた)のが、堀さんだったんですよ。正直、私はオペラはこれまで米英の留学先でしかほとんど観た・聴いたことがなく、それは「日本人のキャストで西欧人役をやられても…」という、一種の偏見(汗)があることに加え、リアルな問題として、日本に来る欧米の一流オペラの舞台なんてとてもAffordableじゃないからです、私にとっては(泣)。
ということで、私にとってほとんど初といっていいような日本人歌手Onlyによるオペラで、しかも、素人感満載の(笑)「市民オペラ」だったんですが、この堀さんの「カルメン」のお陰で(特に第二幕のホセを悪党仲間に誘い込むときの歌と踊りは!あれをやられたら私も喜んで悪の道に行きそう=爆)、私にとっては素晴らしい『カルメン』Live体験となりました!
その後、もう1ヶ月経つのですが、未だに頭の中から一連の魅力的なメロディーが離れず(笑)。ついに『Carmen』のBDを2枚も買って、<おさらい>している日々を最近は送っております(笑)。
それがこの2枚。
方や、Royal OperaのLive、方や、ドミンゴが歌っている映画化されたもので、どちらもそこそこ有名な作品ですからお持ちの方もおられると思います。残念ながらどちらもAuro-3Dではなく、ATMOSですらありません(泣)。ただ、一応5.1chのマルチですから、聴く(観る?)ときは当然Auro-Maticにしております。
で、この2枚を、東京の書斎、東京のリビング、伊豆の2種類のセッティングという4つのシステムで妻に呆れられながら何度も聴いていて(まあ、観ている、と普通の方はいうのでしょうが、私は「聴く」重視)、今更ながら気付かされたことはやはり、センターSPの重要性。
伊豆では写真を取り忘れましたが(よくこのブログを見ておられる方はもう見飽きているかと=笑)、スクリーンを下ろすとメインCのSonetto VIIIがOffになり、スクリーンの上下に配したSonetto I 二台でVirtual Center化する設定(映画ならセリフが「画面中央」から聞こえるので、没入感はかなりある)。ただし、今回の『Carmen』2つはもちろん、「非Visual派」の私は、スクリーンを降ろさずにSonetto VIIIをメインCにしたバージョンも何度も(笑)「聴いて」います。
一方の東京の自宅では、書斎はCだけがSonetto VIIIで、見た目だけでなく(汗)、質的にも「突出」したセッティング(映像は小さく、CとRの間にモニターがあるだけ=汗。ここに映っているDomingoはNYのMETで何度か観た・聴いたが、かなり若いな、これ=笑)
リビングは、これは非常に一般的なレイアウトのLCRとTVの配置になっており、ここは5.1.4のATMOS環境のみ。LCRのSPはKEFの昔のiQシリーズの最後のモデル群で、テレビ台の中に収められているCはよくある横置きのモデル。
さてこの4つの中で、最も感動するアリアを聴かせてくれるのが、<伊豆のスクリーンレス>セッティングなのは言うまでもないのですが、その次に素晴らしいのはどれだと思います?
これ、「感動」が映像とのコンビネーションで脳内に出現するタイプの方は、言うまでもなく140インチスクリーンの伊豆のシステムでしょうが、音、つまり声質に主に感動する私的には、東京の書斎のほうがグッと来るんですよ(ちなみに画面はたった19インチ=笑)。
特にこの2つのBDは、アリアのパートではCへの出力が90−100%という録音になっているので、Cレスならともかく、「Cはあるけど、LRより落ちる」という場合は、オペラで最も肝心なところがむちゃくちゃがっかりな出来になりかねません…。リビングのシステムは普段、映画を観るときはCからセリフがはっきりと聞き取れて不満はない(ちなみに映像は有機4Kだから、UHDだと下手すると伊豆のスクリーンよりきれいかも!)のですが、オペラはあかん(笑)。オペラのときだけはCレスのセッティングにしたほうがいいかも(汗)。
ミュージカルはいざ知らず、オペラはアリアはほぼ必ず、舞台中央で「不動」の姿で歌い上げるので、マルチch収録になっている場合は、4ch録音でない限りCにアリアが来るはず。当然、<いちばん大事な音>は、一番手をかけ、カネをかけているSPとアンプの組み合わせで聴きたい。オーケストラや室内楽などはともかく、オペラだけは、<いちばん大事な音>がどのSPから出るかがはっきりしている。実は私は隠居したら伊豆に籠もって毎晩オペラ鑑賞をしたいと思っていて、密かに(笑)ベルディなどのオペラBDを買い集めている(ただし、観る・聴く時間が取れないので、今は埃を被っている=泣)のですが、やっぱりオペラを最高の音質で聴きながら観るなら、サウンドスクリーンしか無いか(私は音質>画質)と。 退職金でなんとかなるといいんだけど?(笑)
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