オーディオにおける 「ひかり」って?
今回は、前回の記事の最後に触れた、【おまけーネットワーク環境のしょぼさに改めて気付かされてしまった・・・】の、続報。
しかし、記事にも書いたように、<ネットワーク環境>と一言で言っても、自分のようなITに無知なものが思いつくだけでも、「モデム、ルーター、ハブ、NAS、そしてこれらをつなぐLANケーブル」と多岐にわたっており、これらを<全部、一気に>オーディオグレードのものにするなら軽く車一台は買える予算が必要だろう(汗)。この分野はまだそこまで私の周りには先達が多くないため、どこを、どの程度やれば、投入金額に見合った効果が得られるのかどうかに確信が持てるほどの情報は残念ながら私は現段階では得られてない。
ただ、ネットワーク環境を改善するとかなり?音が良くなるらしいことに「気付いてしまった」以上、私はそれを<放置>できる性格ではないので(笑)、何か<お試し>的に手軽にLow Costでやれて、コスパのよさそうなものはないかと・・・ネットサーフィンをしていてふと目に留まったのが、「光アイソレーター」といわれるものだったが・・・。
私は、これまで、いわゆる、「オーディオアクセサリー」と呼ばれるものにおカネをかけることを、基本的には敬して遠ざけてきた。
その理由は2つある。
一つは、まだ自分のシステム本体のクオリティUPにおカネと手間をかける余地がかなり残されていて、システムの「完成」の途上であるため、「アクセサリー」の影響を正しく判断できるほどの「レベル」に達していないと判断している、という点。
これは、これまでもアナロジーを披露してきたクルマの世界で言えば、例えば、「エンジン・加速の吹き上がりが良くなるオイル」というものがある。しかし、これを普通の市販車で使って、それを体感できるレベルのクルマは、ごく一部の本格的なスポーツカーだけだと自分の経験から断言できる。私がこの、オイルの種類によるエンジン・加速の吹き上がりの違いを体感できるようになったのは、MT車のクラッチ板とフライホイールを軽量のスポーツタイプに交換したあとであった。つまり、ノーマルの重い(その分クラッチミートが多少乱暴でもエンストしにくい=笑)クラッチ板とフライホイールのままでは、オイルの粘度や質の向上によるエンジン回転や加速の吹き上がりなんて「体感」することはできない。タイヤやマフラーなどの交換の効果も全く同じで、それに関連する部分がノーマルのダルな特性のままでは、「交換の恩恵」なんて微々たるものに留まってしまうのを、若い頃に経験済みだ。
翻ってオーディオも然り、だと思っている。これが一番目の理由。
二つ目には、これは私の知識不足もあるのだが、工学的なクルマの世界に比して、電気・電子工学的なオーディオの世界は、「改造」と「成果」の間の<因果関係>がよくわかっておらず、「オカルト」としか思えないものが私には多いからだ。
だから、これまでも「1メートルで数十万円」というような電源ケーブルをご親切に「貸していただいた」ことがあり、確かにその「効果」は確認したものの、どうしてもそのケーブルの仕組み?と出音との<因果関係>が私には理解できず、導入を見送ったことがある。理系的な知識が皆無に近いとはいえ(汗)、一応(社会)「科学者」の端くれとしては、自分で納得できるロジックが見いだせないものは、Superstitionとしか思えないからだ・・・
ということで、ネットで見つけた「光アイソレーター」なるものも、「映像ならともかく、<音>を良くしたいのに<ひかり>ってなんだよ?怪しげだなあ」(笑)と、名称からのイメージだけで深く研究することもなく完全にスルーしていた(後ほど分かるのだが、映像=光学=ひかりケーブルで関連していると思っていたが、これは完全に間違い=汗)。
ところが、である。
実は先にTomy邸にお邪魔した時の記事にも書いたのだが、「これ、すごい効果があるよ」と音質改善の手段で「ひかりHDMIケーブル」をTomyさんに勧められ、「まあ、そんな高いものじゃないから、騙されたと思って一つ買ってみたら?」といわれ、ノリでその場でとりあえずと1本ポチッたものがその後3本に増えたと書いたが(笑)、実は今ではさらに5本に増殖している(爆)。
HDMIケーブルというのは普通はAV用途(つまり映像+音)で、私もプロジェクターとBDプレーヤーの「映像出力」との間をつなぐHDMIケーブル(5m)には「光」を使っている。これは以前使っていた「4K対応」のPanasonicの銅線?ケーブルではUHDを再生すると時々Black Outする瞬間があり、「8K対応」の光ケーブルに変えた方がいい、とグランドスラムさんに指摘されたからだ。これは「転送スピードの改善」という、文系の私にも納得できるロジックがあったから交換した(お陰で、確かに改善された)。
ただ、Tomyさんに推薦された光HDMIケーブルの用途は、RoonのBridge用PCとAVプリをつなぐケーブル。いうまでもなく映像とは全く関係がない、純然たる音楽用だ。音楽データなんて、どんなにハイレゾでマルチチャンネルでも、UHDの映像データとは比較にならないほどの小ささなので、ケーブルの転送スピードを現状(銅線?4K対応)より上げても「理論的には」(笑)意味があるとは思えない。時速100キロまでしか出ない軽自動車が高速道路を走るのに、速度無制限のアウトバーンを走らせたからといって100キロ以上出るようになるわけではないからだ。
でも、使ってみると確かに音は良くなる(今では、伊豆と書斎の両方のRoon Bridge用のみならず、両方のBDプレーヤーの「音声専用HDMI出力」からAVアンプへつなぐものもFIBBRの光に交換!)。CleanでClearになり、鮮度が上がるのだ。
しかし、なぜ<ひかり>にすると音が良くなるのかの「ロジック」は分からないままだった(汗)。このままでは「科学者」(笑)の名が廃る、と思いつつも・・・(言行不一致=汗)
そんな中、年末に伊豆のご近所のMyuさんに「検聴」(ツイーター用のアンプを交換&チャンデバ調整後)に来ていただいた際に、彼のチャンデバ仲間でネットワークオーディオを主要ソースにしておられる方が、「音質改善策をいろいろやったが、一番効果的だったのは、光アイソレーションだった」と言っておられた、というお話を伺った。その時は、正直言って、「何それーしょん?」という感じ(笑)だったのだが、Myuさんのお宅の音はとにかく、「高解像度、ハイスピード、低ノイズ、鮮度感」を極めておられるもので、彼の自作SP/チャンデバ仲間の皆さんも同じような方向性と聞いていたし、最近、すっかり私のチャンデバ化後のメインシステムも(Myuさんの影響で?)そっち方面への音にベクトルが向きつつあるため、ネットサーフィンした時に「ヒカリって、ちょっと前にどっかで聞いたような気がするキーワードだな?」と気になって、今回、少々真剣に「ひかり」と「オーディオ」との関係を調べてみた。
すると、以下の理解に私なりに達したのです(お詳しい方、間違いがあればご指摘ください!)。
1.HDMIやLANケーブルが運んでいる「データ」は、映像も音声も、すべてデジタルである
2.ただし、銅線?のケーブルを流れる「電気的信号」には、「データ」のみならず電磁波や電波、電源などの影響を受けて発生する「ノイズ」も含まれる
3.光ケーブルは、「入口」で電気的信号のうち「データ」<だけ>を<ひかり>に変換し、「出口」で「ひかり」を電気的信号に戻している
4.光ケーブル内を流れる「ひかり化されたデータ信号」は、論理的に電磁波や電波、振動などの影響を受けない。
―つまり、デジタルデータ信号の場合、回線のどこかで、電気的信号を<ひかり>に変換すると、「そこまでの銅線回線の経路上で付加されたノイズを完全にカットできる」らしい?
ということで、「科学者」(笑)として「光アイソレーター」が何をIsolateするのかについて<論理的に?納得>した気になったので(笑)、試聴もせずにお試し導入を決定!!!
で買ったのが、コレ。
早速、書斎のボロシステムで、Roon Bridgeとして使っているPCへのLAN入力端子の前に挿入してみた。これで理論的には、この「光アイソレーター」に届くまでに混入した電磁的・電気的ノイズはカットされたはず。もちろん、その先のLAN&HDMIケーブルやPC内、AVアンプ内において再度ノイズの混入リスクはあるが、システム全体のノイズ混入リスクとノイズの付加量は理論的には減少していることになる。
さて、肝心の結果は?
言うまでもなく、効果が出ていなければこの記事は書いていない(笑)。個人的には(好みは分かれるとは思うが)、特に鮮度感の向上度合いにとても満足し、書斎のボロシステムでこの効果なら、伊豆のシステムならもっと効果が出るだろうと予想(だだ、伊豆ではオーディオ用の電源工事などもしているから、逆に効果が薄い可能性もある)し、来月のセミナー後、伊豆に行って実験して結果が良かったらもう一台買おうか、考えているところ。ただ、Roon BridgeとAVアンプをつなぐHDMIケーブルを「ひかり」にするありがたみは多少減じた気がするが、これは「理論通り」で納得のいく結果(でももう買っちゃっているので、光HDMIケーブルを使ってますが=笑)。
ただし、光HDMIケーブルのまま、LANケーブルの中継として「光アイソレーター」を入れても明らかに音が良くなる。この現象は、PCからAVアンプへのケーブルを<ひかり化>すれば「そこまでに付加されたすべてのノイズがカットされるわけではない=末端効果だけでは十分ではない=LAN+光でカットされるノイズと、HDMI+光でカットされるノイズが異なる」ことを示唆しており、ここは「理論的には」私ではよくわからないのだが・・・どなたか、説明できる方がおられたらお願いしたいです!
それともやはりデジタル・ドメインでもオカルトは残るのがオーディオ道ってもん???(笑)
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