今年の仕上げ3連発―Magnetar導入、チャンデバ調整(またまた・・・)&Amator III再配置(その1)
【Magnetar UDP800の導入】
まずは、お待ちかね(?)MagnetarのUDP800です。
これを購入するかどうかについては、正直迷いました。理由は単純、「果たしてこの先、<ディスク>を再生する装置が必要であり続けるのか?」という疑問が拭えなかったからです。
言うまでもなく、時代の潮流はオーディオのみならず、映像すらダウンロードまたはストリーミングによる配信が中心になりそうな勢いです。現状では、少なくとも2chの世界ではほぼ「データ量」(=「音質」かどうかは議論の余地あり)的にはディスクは不要になっていると言い切ってもいいでしょう。
私は何度も書いているように映像は重視していないので、映画を見るだけならまあ、普通のUHD対応BDプレーヤーで十分なんです。映画は画質・音質より、Story重視派なので(笑)。
私がプレーヤー(あらゆる意味での再生機)に求めるものは音楽再生、しかもマルチチャンネルソースがHDMI出力できること。そうなると今世の中にあるマルチチャンネルソフトは、1.ストリーミング、2.ダウンロード、3.BD、4.SACD-multi(+DVD-Audio)―の4種類。この内、1はAuro-3Dは無いし(もうじき、という「オオカミ少年」状態が続いているが=汗)、ATMOSは圧縮版なので音質が論外(そもそも私はAuro-3D派)。2は最近増えてきて今後の主流になりそうだが、まだタイトル数が少ないし、未だAuro-3Dフルフォーマットの13.1chのファイルは売られていない。3はダウンロードでは入手できないソフトもあり、映画だと13.1chもあるので、そろそろ音楽でもフルフォーマット版が出そう?=期待! 4は、「これまでに制作された」作品数という点では、恐らく最も多く、Auro-Matic映えするLiveもかなりあって音質もいい。惜しむらくは5.1chということだが、Classicの場合は、これをHDMI出力でAVプリに入れてAuro-Maticにして13ch化して聴くと個人的には満足感大。
ただし、このうち、4だけは、これがHDMIでマルチ出力できるプレーヤー(私はアナログ出力は全く使わないので、900ではなく、800を選んだ)って、完全に「絶滅危惧種」。どうやら「アブナイ」(大汗)ことをやれば、これをファイル化できるという噂は聞いているが、職業柄その「アブナイ」橋は少なくとも(汗)、現役の間は絶対に渡れない。
レコード会社(?)によっては、SACD-MultiのソースをPCM化してダウンロード販売しているところもあるが、過去に遡ってすべてのSACDをファイル化してくれているわけではないし、そもそもDSDではなく、PCMにしている段階で音が変わっている。どちらのフォーマットの音が好みかは個々人だが、私はSACD-DSD派。
私が現在所有しているSACD-Multiのディスクは約200枚程度しか無いが、それでもこれらが「ただのコースター」(泣)になる日を早々に迎えたくはない。
となると、この「絶滅危惧種」であるSACD-Multiとそれを再生できるプレーヤーは、生存が確認されているうちに「サンクチュアリ」(笑)に保護してあげないと!(オーディオ環境保護派か?=爆)
ということで、手持ちのOPPO-205が健在なうちに、後釜(笑)として購入しました。これで少なくとも私が「現役」を退くまでは、SACD-MultiがAuro-Maticで楽しめるメドが立ったと信じたい!
さて、音の印象(申し訳ないが、映像の品質については私は語る資格がないと強く自覚しているため割愛)について。
一言で感想を言えば、「それまでのOPPO-205に比してS/Nが上がり、全帯域で解像度が増した」。
ただし、これは実は、「新品」VS「中古品」の結果である可能性を排除できないのではないだろうか。
私は常々、オーディオ評論家なる人種が、「前モデルから格段の進化!」ってなことを書き殴っているのを見ると、あれは半分は商売だろうけど(笑)半分は「本当にそう聴こえている」と思っている。ただし、これはほぼ確実に、「旧モデルVS新モデル」をメーカーの試聴室でやっての感想であることに注意が必要だろう。つまり、この比較の対象になっている「前モデル」は、何年も前に作られ、これまで<試聴機>として使い回されてきたものなのだ。「旧モデルVS新モデル」の比較試聴は、常に「中古品VS新品」対決なのである。
言うまでもなく、あらゆる「機械」(これは電気製品でも電子製品でも)は、経年劣化する。さらに使用時間に応じて減価していく(この場合は値段だけでなく、性能価値も)。
私は基本的に古いオーディオ機器を買う趣味はない。基本、新品を買うが、中古品を買うときも「新古品=現行モデル」という類のものしか買わない。それは以前、Fostexのエンジニアが、「出荷したその日から、劣化は始まっています」と断言するのを聞いたからだけではない。実際に、ある超ロングランモデルで、<20年前に作られたもの>と<全く同じものだが作られたばかりのもの>を聴き比べた経験から言っている。同じものとは全く思えなかった。その経験から、20年前に100万円だったオーディオ機器が、現在10万円で売られているのは、その音質・品質が十分の一になっている、つまり「10万円の音になっている」ことを市場が正しく価値づけているからだと私は考えている。だからヴィンテージの<過去の超高級機>に、その「当時の価格なりの音質・品質的な価値」は見出さない。あくまでも「中古で入手した時の価格相応の音」であり、過去の100万円が中古で10万円で入手できるものは、現代の新製品の20万円のものより確実に「科学的に見た場合の音質(音色、ではない)」は劣るとこれまでの経験から考えている。ここにも「需要と供給のバランスで決まる価格は価値を示している」という、<神の見えざる手>が働いていると思うからだ(もちろん、劣化しているのは「工学的データ」だけで、「音質・音色」評価は主観的なものであるから、<個人差>はある。人によっては、古い車でダンパーがスカスカになったものの方が、「乗り心地が良い」という人がいるのと同じだ=笑)。
だから、本当に「旧モデルVS新モデル」対決をするのであれば、両方とも作られたばかりの新品(在庫品ではダメ)で勝負しないとFairではないはずだ。誰しも車を買い替えて新車に乗ると「静かになって乗り心地が良くなった」と<毎回思う>だろう。それって、買い替える前の車が、「新車だった頃」と比べてますかね?(笑)
ロジックが長くなったが(汗)、今回の800がこれまで聴いてきた205(約7年前に購入)に比して「良い音質」と聴こえるのは、単に「新品だから」という面があるのは科学者マインドを持つものとして否定できないと強調しておきたい。つまりそこまでの大差ではない、ということだ。しかし、このことは私をがっかりさせるものではない。今回の判断に際して、私にとって最も大事だったことは、「音質の向上」ではなく、「7年間稼働してきたOPPO-205と同等の製品」の<新品>を、2024年末時点で入手する(=少なくともこれから7年は楽しめるだろう・・・)、ということなのだから。
ただし一つ、明らかな両者の違いを書いておかねばならないことがある。この機種はOPPO-205にできたことができない部分が<少なくともDefaultのままでは>いくつかあるようなのだ。
まだ使い始めて間もないが、使い始めた時点で気がついたことは、1.ダウンロード購入してNASにあるAuro-3Dファイルが、この機器を通すとAVプリでAuro-3Dと認識されない 2.PCMでBDに記録されたAuro-3Dファイルが、この機器を通すとAVプリでAuro-3Dと認識されない(DTSのものは大丈夫)―の2点。いずれも、OPPO-205ではできていたので、恐らく、内部的にビットパーフェクトでHDMI出力できていないのだと思われる。これについては、現在、輸入代理店のエミライがメーカー側に問い合わせているところ・・・
・・・とここまで書いた時点でエミライのサポートから有力な情報が!「ボリュームMAX(100)ならビットパーフェクト出力が可能」とのことで、リモコンでVolumeを100%にすると、1,2どちらもAuro-3D再生が可能になった。確かOPPO-205だと、出力は「Max状態でFix」がDefaultだったと思うが、800はHDMI出力を固定する設定が見当たらない。ゆえにいうまでもなく、今度リモコンを手に取るときに、Volumeボタンを少しでも押してしまったら、またAuro-3Dは再生不可になろう(汗)。接着剤で固定しておこうかな?(笑)
他にもいくつかDefault設定を変更すべき点があるが、エミライのサポートとは数回(汗)メールを交わし、恐らく時差のある本社との間に入って頑張ってくれた。そのお陰(?)で、この問題のノウハウは先方に知的蓄積ができただろうから、今後のサポートはスムースに行くだろう(まあ、こういう問い合わせは、極めてマイナーだとは思うが=笑)。
800は上位機の900とはこの点(HDMI出力およびNASのファイル再生)について「機能的な差はない」とエミライのサポートが明言しているので、他に差があるとすれば、電源部の差と、内部剛性の差だろう(繰り返すが、私はDACは使わないので、ここの差が本当は一番大きいようだが私には無意味)。このうち、個人的な経験では「電源部」は結構出音に差がつく点なので、900との差額(約20万円)が浮いたので、この際、この800専用にHondaの蓄電器を奢って「電源部の強化」をしてやろうと思っている(笑)。この蓄電器は今はStormのAVプリだけに使っているが(出力は2ソケットあるが、2つの機器を同時につなぐとやはり音質が落ちる。恐らく、電源ケーブルを通じて相互のノイズが入るのだろう)、その威力は完全に実証済み(グランドスラムさん、Tomyさんも証人!)。蓄電器は停電のときにはLife Lineにもなるので、まあ、伊豆に2台置いても「いざというときに備えた」とも言い訳ができるのでいいだろうと(笑)。
FIBBRの光HDMIケーブルを「音声専用出力」とStorm ISP MK2との間に使い(なぜか、電源投入時にはNegotiationに失敗する事が多く、一度つなぎ直す必要があるが・・・)、年明けに専用蓄電器も届けば、「新品のピックアップとクロック」を通じてよりクリーンな音が楽しめると期待している。
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