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2024年12月26日 (木)

今年の仕上げ3連発―Magnetar導入、チャンデバ調整(またまた・・・)&Amator III再配置(その2)

【チャンデバのまたまたの調整・・・】

 

シーズン中(笑)は伊豆に来ると行っても月にMax2回程度、しかもせいぜい一泊か二泊なので、こちらに来るとどうしても「お気に入りのAuro-3D音源」を中心に聴いてしまう。つまり、いつも同じような曲ばかり聴くことになるのだが(汗)、今回は冬休みモードに入ったため、夏休み以来の1週間以上の長期滞在をしているので、久しぶりに聴く音源がいくつかあったのですが、その中に、「えっ?」という音に違和感を感じるソフトが出てしまいまして(汗)。

 

それはGattiの『春の祭典』(Auro-3D9.0ch BD版)です。このアルバムはLiveで、最初に演奏されている『牧神』と次の『La Mer』の方は、伊豆に来るとよく聴く「定番」なのですが、最後に入っている『ハルサイ』の方は・・・。先の「フォッサマグナツアー」の課題曲に自ら選定しておいてなんですが(笑)、「オーディオ的に聞きどころが多い曲」であるのはわかりますが、「音楽」として聴く分には保守的な私にはちょっとアヴァンギャルドすぎて(汗)。

 

でも、今回はたっぷり聴く時間が取れたので、久しぶりにこのBDを最後まで聴いたのですが・・・

 

以前の設定で聴いたときの記憶(恐らく夏休み=汗)に比して、金管楽器に力がほとんど感じられない。これはMilesのトランペットを愛するJazzファンなら「なんじゃこれ?」というレベルかも・・・

 

「こりゃ、何かの特性が狂っているな」と、慌てて、Dirac Liveで測定・調整をしてみました。

 

P. DLが示したLCRの合成f特@LP

4000-dirac-live-f

一見して誰でもすぐわかるのが、3Khzを中心に大きなへこみがあるということ。これを、さすがに「BBC Dipでしょ」?とごまかすことはできまい()。どう見ても、Dipというよりは大きなPitかCraterかTrenchである()

 

なるほど、これが「金管の音に迫力がない」原因なのか、とデータ的にまずは納得。

 

前回、ツイーター用のアンプにSoulnoteA-0を導入した際にチャンデバ設定を調整し直したときは、 自分が一番好きな楽器である、ピアノとチェロを使い、最後の仕上げにボーカルソースを使って「自分の聴感だけ」で決めただけで、測定は一切しなかった(過去に測定したデータを参考にしたまで)。「f特を見ながら調整する」なんて、「自分の耳に自信がない人のすること」と思っていたからだ(ピアノのベテラン調律師はマイクとPCを持ちこまないですよね?=爆)。

 

しかし、「自分の耳」はやはり偏った音色が好きなんだな、と今回つくづく反省した(泣)。CO4000に引き上げたら、<ピアノの高域の残響音はきれいになったし、チェロとボーカルは魅力的になった>、と「私の耳」は判断したのだが、これは後付けで考えれば、3Khzに大きな穴が開いて、ピアノは恐らく基音を再生するMidと、倍音を再生するHigh(なぜか、10Khz近辺が持ち上がっているし)の役割分担が明確になったことの「メリット」が出た?(デメリットも必ずあるが、駄耳では気が付かなかっただけだろう)および、チェロとボーカルに関しては元々3Khzまでも音が出ていないソースなのだから、事実上LowMidによる2Wayスピーカーとしてのまとまりの良さという「メリット」が強調されたのではなかろうか。

 

こうした、「偏った、自分の好きな楽器の音」を追求しただけのセッティングは、そればかりを聴いている間はなんの疑念もなく楽しめていたが、今回、普段聴かないようなソースを再生してみて、その「デメリット」が露呈したということだ。

 

ということで、さすがにこのままでは次の「オフ会」では披露できない()。お客さんのすべてが必ずしもピアノ・チェロ・ボーカルだけが好きとは限らないからだ()

 

ということで、やむを得ず(汗)、チャンデバ設定の見直しをする羽目となり、今度は同じ轍を踏むまいと、きっちりREWによる測定を踏まえることにした。

 

ちなみに、ここで「そんなの、全部Dirac Liveに任せればいいじゃん」と発想する人は、トーシローです(=実はついこの前までのワタシではあるが=笑)。確かにDirac Liveをフルに適用すれば、f特の凸凹はかなり補正してくれる。このように:

 

P <CO:4000で、Dirac Live後にREWRchを測定したもの。この太い線が補正後のLPにおける実測値>

4000art_20241226075901

 

さすがDirac Live! きれいに3Khz付近の大穴を埋めている。でもこれは、「かなり無理をさせている」ので、この3Khz付近の歪み率が高くなってしまっている。「出しにくい音域を、無理に出させている」からであろう。

 

つまり、Dirac Liveは、可能な限り元のf特などのデータが良くなるように調整した後の、「最後の仕上げ」に使うべきなのだ!

 

ということで、まずはCO値を変えて測定してみたが、多少の変動はあるものの、どれも「大きな穴」が残ったままだった。

 

REWによるRch計測@LP(2.5M)-25dB

 

CO:4000 (Default

Mid:LPF:24 -10dB

High:HPF:48 -2dB

 

CO:3500

Mid:LPF:24 -10dB

High:HPF:48 -2dB

 

CO:3000

Mid:LPF:24 -10dB

High:HPF:48 -2dB

 

(以上、測定画像は割愛)

 

ただし、f特的には大きく変わらなくても、聴感上の音質は結構変わる。ゆえにここで一旦、「自分の耳」をもう一度信じて(笑)、これらCO値の違いによる音の違いを今回は「金管楽器」でチェック。最初に「気づき」を与えてくれた、「ハルサイ」は使うとしても、どうもこれをくり返し聴くのは個人的にはツライ(笑)。他に「金管楽器」といえば、Classic初心者のワタシ的には、Brucknerの交響曲しか思いつかない(古典派とロマン派ぐらいしか知らないので・・・)。ということで、8番も試聴用にした。

 

P.Img_2996_20241226081201

 

4000では金管楽器の高域に力強さが足りない、3000だとピアノの高域の澄んだ感じが損なわれる。3500が一番バランスが取れている。

 

ということで、ここから先は、CO3500に固定して、あとは「f特上の大穴を埋める」べく、スロープとユニット別のGainを調整してみる。

 

この後、「チャンデバ地獄」をたっぷり味わい(汗)、さまざまな試行錯誤をした(お陰でかなり経験値は上がった・・・)のだが、それを全部書くとキリがないし、チャンデバ弄ったことのない人には興味もないことだろうから(関心を持ってくれるのはMyuさんくらい?)、わかりやすい変化のあったものだけを紹介していく。

 

まず、「コペルニクス的転回」(笑)を見せたのが、スロープをHighMidで入れ替えてみた変化。つまり、DefaultではMidLPF24で、HighHPF48にしていたのだが、これを入れ替え、MidLPF48に、HighHPF24にしてみたのである(3500-1)。

 

3500-1

CO:3500

Mid:LPF:48 -10dB

High:HPF:24 -2dB

 

このアイデアを思いついたのは、各ユニットの周波数別の歪み率を調べていたときで、どうも、このSonettoのスコーカーは周波数が4000あたりより高くなると歪率が増えてくる(1%を超えてくる)。一方、このツイーターは比較的低めの周波数帯(2500あたり)でも歪み率が高くない(1%を大幅に下回る)。ということはMidのスロープを急峻にし、Highのスロープを緩やかにして繋いだほうが全体の歪み率が下がるのでは、と素人なりに発想したもの。

 

で、その結果のf特がこれ。

 

P: Before

3500_20241226080201

P: After

35001_20241226080201

 

不思議なことに(汗)、ほぼ3Khz近辺の大穴が消えている!!!歪み率を良くしようと思って弄ったスロープが、f特にも効くとは!まさに「瓢箪から駒」である(笑)。

 

気を良くして次のステップに進む。

 

今のままだと、10Khzあたりに大きな山ができており、全体的にかなり<High上がり>のf特になっている。御存知の通り、一般のメーカー製ハイエンドSPではやや<High下がり>に調整するのが、最近のトレンド。10Khzあたりに山があるのは、いわゆる「音の良い三つ山」と古典的に呼ばれるイコライザーを使って補正する際の有名なテクニックではあるが、いくらなんでもこれはチト山が高すぎる。

 

そこで今度は、MidHighの各ユニットのGainを以下のように変えて試してみた。

 

3500-2

CO:3500

Mid:LPF:48 -10dB

High:HPF:24 -7dB

 

3500-3

CO:3500

Mid:LPF:48 -7dB

High:HPF:24 -4dB

 

3500-4

CO:3500

Mid:LPF:48 -10dB

High:HPF:24 -4dB

 

各測定結果のグラフは割愛するが、この中で「f特1等賞」を取ったのはこれ。

 

P (3500-4

35004_20241226080801

特に中高域はなかなかでしょ?これ、イコライザーは何も使ってないのですよ。しかも2.5M離れたLPでの実測値であって、「無響室1M」という実験室の結果ではありません。これ、超ハイエンドのSPを持っている方のお宅にお邪魔して、LP地点で実測したものと比べてみても、かなりいい勝負をすると思います!

 

ここでさらにダメ押し的にDirac Live ART様のお出ましでございます(爆)。

 

P. (一番下の赤いラインがDirac Live ART全域適用後の、LPにおけるf特。紫は無補正。青は、ART150Hz以下だけに適用したもの)

3500art_20241226080801

 

流石だわ(笑)。Dirac Live10KHzあたりを均してくれるのは当然としても、やっぱり500Hzから下のフラットさは半端ではないです。普通のお宅なら、LPでは床や壁、天井の反射や家具などによる吸音、さらには定在波の影響でもっとむちゃくちゃ波打ってますよ。恐るべしART

 

P (これ、個人の部屋の2.5MLPでの測定で、スムージング1/6なのに、この低域のフラットさ!=分かる人には分かるARTの凄さ!)

3500art-6-octjpg_20241226080901

 

ただ、問題は、結局、「これで、音はいいの?」ですよね~(笑)

 

これはMyuさんのブログにもコメントしたのですが(偶然、彼も制作中の自作ハイエンドSPを測定した記事をUPしておられたので)、このデータを見てしまってから音を聴くと、どうしてもデータ的に優れている(つまりフラットに近い)もののほうが、<イイ音>に聴こえてしまうのが、聴覚も脳に支配されている人間のサガかと(笑)。

 

ただ、個人的には、Dirac Liveフル帯域適用(赤線)のセッティングより、低域にARTだけを効かせたもの(青線)のセッティングのほうが、「出音」がVividで好みではあります(データ的には前者のほうが圧倒的にフラットで優れているが)。

 

まあ、これからしばらくはこれで様々な音源を聴き込こんでみますが、もしかすると、「舌の根」ならぬ「耳の根」?も乾かぬうちに(笑)、また<問題ある音>を発見してしまい、「チャンデバ地獄」のループに陥るかもしれません・・・(笑)。取り敢えず言えることは、今聴いている「ハルサイ」は、自分史上ベスト(断言!)。ご関心のある人は年度内に是非聴きに来てください!

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コメント

Auro3Dさん

冬休みモードに入っていますね(笑)

>>3Khzを中心に大きなへこみがある

クロスオーバー周波数、減衰特性、ゲインは調整されたとありますが、タイムアライメントの状態を確認して欲しかったです。


>>個人的には、Dirac Liveフル帯域適用(赤線)のセッティングより、低域にARTだけを効かせたもの(青線)のセッティングのほうが、「出音」がVividで好みではあります

Auro3Dさん宅で何度も聴かせて頂いて、私も同じ印象です。イコライジングはjyoseiのお化粧と一緒、ほどほどがよろしいようで(いまの時代、このような表現は不適切かも)


>>ご関心のある人は年度内に是非聴きに来てください!


関心ありますので、メールしますね。


音響測定に関心を持っているMyuのコメントでした(苦笑)

Myuさん

今年一年、本当にお世話になりました。まだチャンデバ化の改造に踏み切ってから1年も経っていないのに、すでにワタシがこんな「生意気なことを書いている=笑」なんて、自分でも信じられないです!去年の今頃は、「スピーカーのSlopeって何?すべり台?=そりゃ、Slideだ!」っていうギャグを飛ばしていた<無知で無邪気な>おじさんだったのですから・・・

これも、Myuさんを筆頭とする諸先輩方のお導きのおかげです。2,3月に厳しく(汗)鍛えていただいたおかげで、曲がりなりにも独り立ちしてこのような自己流の「チャンデバいじり」を楽しめております(笑)。

>クロスオーバー周波数、減衰特性、ゲインは調整されたとありますが、タイムアライメントの状態を確認して欲しかったです。

うーん(汗)。今回は、自分で言うのもなんですが(笑)、Distortionに目配りをできるようになっただけでも一つ成長したかな、とは思っているのです。

実は今回、Myuさんのブログを見ていて、4Wayのユニットでつないだf特のDistortionがすべて1%以下に収まっていて、「おお、さすが!」と感心して、自分のユニットも確かめたいと思ったのですが、あのグラフをREWでどう出すのかが分からなくて(笑)。

でも、周波数ごとのDistortionを見る方法だけはわかったので、今回のTrialの材料の一つに使ってみたわけです。

しかし、Time Alignment は少々、まだ私にはハードルが高いのです(泣)。なんといても、あのImpulse ResponseとPhaseのグラフの処理と見方が未だによくわかっておりません・・・Tomyさんにもかなり教えていただいたのですが(泣)。

ただ、これは本文中の文言と矛盾しているのですが(汗)、実は内心では、「こここそ、Dirac Liveの得意中の得意のところなので、せっかく高いカネ払っているんだし、ま、お任せで!」と甘えていることを正直に告白しておきます(笑)。ARTは低域だけに適用されますが、位相整合はDirac Liveは全域にかけて調整してくれるのです。

故に拙宅の場合、Dirac Liveを適用すると「鮮度が下がる」とおっしゃる方もおられますが、私(そして位相に敏感なK&Kさんも)の耳には、「位相が揃って、パリッとした音になる」と聴こえるのです。

本当はこれをMyuさんやK&Kさんのように、チャンデバを使って手動でやれれば、Gainを落とすこともなく、「鮮度感」も損なわれないのでしょうが・・・今度また、お見えになった際に、ご指導ください!!!

Myuさん

本日は、年末のお忙しい中にも関わらず、「測定データの違いの分かる」方にお越しいただき、ある意味、On the Right courseという確信を深めることができてありがたかったです。

今度は、Impulse応答のタイミングを見ながら、Delay値を調整するという高等テクニックに挑戦してみたいので(笑)、またその節はご指導よろしくお願いします!

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