Live 3連荘!―Jazz、Rock、Classic!!!
今回は、Liveコンサート(まあ、一つは「Auro-3D版Live」だが)に3日連続で、しかもJazz、Rock、Classicの3大ジャンルを横断するという、自分の短くもない(汗)人生の中でも初めての経験を(笑)、「オーディオ的観点から」紹介してみたいと思います。
まず、初日は、これ。
P (HPより引用)
実は上原さんのコンサートは、個人的には今回が2回目で、1年ほど前にTomyさんとご一緒しています(その時は、矢野顕子とのDuo Piano)。で、今回はSiltechさんとご一緒しました(笑)。いうまでもなく、上原さんも出演する、来たるLive収録のAuro-3D 13.1ch配信(8月16日―23日)の<予習>(本物のLiveと、伊豆のシステムでの「Auro-3D Live」の比較検証のため!)を兼ねての参戦です。
場所はBlue Note Tokyoで、Siltechさんが取ってくれた席は、なんと!下記の写真の角度(上原さんがばっちり見える!)で、ピアノまでの距離約2M!!!
前回Tomyさんとご一緒させていただいたコンサートは、確か有楽町の国際フォーラムの大ホールで、ステージまでこの何十倍の距離があったので、当然、PAを通しての音を聴いたわけですから、まあ個人的な判断基準では、「音楽を聴きに行った」というより、「上原・矢野のPLAYを見に行った」(笑)という感じでしたが、今回は違います!
ピアノはピカピカに磨き上げられたYamahaのコンサートサイズのもので、蓋の反射版の角度も、心なしかClassicのコンサートよりは閉じめ?に見えました(先日の清里でのPianoコンサートに比して)。
ただ、Blue Note Tokyoに行かれたことのある方はご存知と思いますが、ここはPA(JBL)も入っています。ステージの中央上部(4−5Mぐらいの高さ)に、Line Arrayスピーカーが2台並んでいましたので、私の勘だと恐らくピアノの音はここから後部座席に届くように再生されていたと思います。ここ以外にもステージの奥と左右にもありますが、ここからは恐らく、エレクトリックベースの音を中心に再生されていたように感じました。ただ、2Mの近さでしたので、我々の席は多分、ピアノとドラムスはほとんど、PAを通さない直接音で満たされていました。
上原さんの演奏は相変わらずEnergeticで、直接音主体の「Jazzらしい」音質・音像・音場が楽しめました。私はまだたった2回しか彼女のコンサートに参戦していない「にわか」ファンですが、前回と同様に<とても楽しそうに>、活き活きとニコニコとPLAYされているのを再確認できました。彼女が日本以上に、特にアメリカで人気があるのは、作品(基本、彼女のオリジナルです)や演奏の素晴らしさもさることながら、この「キャラクター」がアメリカではMustな資質だよなあ、と、米国留学の最初に自動車免許を取りに行った時、写真撮影の際に、やたら、「Smile!!!」と声をかけられた記憶が蘇りました(日本の免許証の写真は笑って歯が見えると撮り直しになるのに=笑)。
・・・・・・・・・・・・
翌日は、これです。
P (HPより引用)
Mr.BIGというアメリカのロックバンドの日本公演のLiveを、WOWOW(入交さん)がAuro-3D録音をしたBDが、9月6日に発売されるそうで(私の知る限り、Rock のAuro-3D録音版が出るのは初めてかと)、その「完成披露試写会」に来ないかと入交さんにお招きを受け、初日の初回に、私とグランドスラムさんとCmiyajiさんの3人で参戦してまいりました(笑)。
正直申し上げますと、私はこのバンド、全く知らなかったのですが(汗)、このLiveで34年に渡る活動を終えるとかで、「ベストアルバム」的なLine Upだったらしいのですが、私でも「聴いたことあるな」という曲が2曲はあったので、結構Smash Hitsをかつては飛ばしたバンドのようです(別の日に参加されたSiltechさんはよくご存知のようでした)。
WOWOWのスタジオにお邪魔するのは今回が3回目ですが(2回目は事実上、「Auro-3D友の会」設立の契機となったもの)、前回同様、ムジークのプロ用アクティブスピーカーに囲まれた、VOGのDelay以外は無補正で機能するように距離や角度を完璧に調整してある、作品を市場に出す前にチェックを行う「モニタースタジオ」です。
Live会場は武道館で、私はこのMr. Bigのコンサートには参戦していませんでしたが、もちろんここでのロックコンサートは大学進学で上京してきて以来、何十回?と行っている、聴き馴染みのある「空間」です。この「空間感」が、かなり忠実に記録されているようで、目を瞑ると、武道館のあの巨大な空間の中にいる感じが極めて精緻に再現されているのに驚きました。これは是非、BDが発売されたら、伊豆のセットで再生して記憶の中で聴き比べたいと思います!
上演終了後、Q&Aタイムがありましたので、元記者・現学者として、このような機会に沈黙するタイプではない私(笑)は、挙手の上、入交さんと以下のやりとりをしました。
Q: 発売されるBDのフォーマットは、96/24の11.1chだと思うのですが、今日聴かせていただいている13.1ch版のレゾルーションは48/24?
A: 96/24です。
Q: この作品は、最初からAuro-3Dで録音するためのマイキングをして臨んだのか?それとも、Bob JamesのBDのように、通常の録音ソースを活用してAuro-3D化したものなのか?
A: 最初からAuro-3Dのマイキングで収録したものです。
Q: 途中で、ギターサウンドが空間をぐるっと回ったり、サブボーカルがサラウンドSPから再生されたりしましたが、これは実際のLiveでもこのような演出がされていたのか、それともAuro-3D化する際に入交さんのミキシングで入れたのか?
A: 実際のLiveではあのような音像にはなっていません。Auro-3D用に私のミキシングで入れたものです。
・・・・・・・・・・・
さて、さらにその翌日(笑)。最後はこれ。
P (最後のカーテンコールは写真撮影が許可されていた)
「交響曲の王道」と題されているだけあって、普通はどちらか1曲で客を釣って(笑)、もう一曲は渋―い、玄人受けする、私レベルではさっぱり聴いたのことのない(汗)曲を組み合わせるものですが、今回の2曲は、天丼と鰻丼がセットになっているような(笑)。有名曲好きで(というかそれしか知らない…)、さらに甘口好きな私に取っては、自分の中の好きな交響曲ベスト5に両方入っている選曲で、高校生ぐらいの頃から死ぬほど(笑)聴いている2曲なので、一音たりとも「知らない音」は無く、指揮者代われそう(実際、客席で指だけで「振ってました」=爆)。
今回、このコンサートに足を運んだのは、演目もさることながら、会場が、「ミューザ川崎シンフォニーホール」だったということも大きいです。関東地方にお住まいの方でClassic好きの方なら、「知らぬものはいない」ホールで、その理由は「音が良い」とされているからですね。
恥ずかしながら実は私は今回、ここのホールに行くのは初めて。東京の西部に住んでいるものにとって、「川崎」って、ものすごく遠いイメージなので、「そんな遠くまではるばる行かなくても都心にいいホールはいっぱいあるし」(笑)という感じで、これまでわざわざこのホールに行こうとは全然思わなかったのです。でも、演目に惹かれて調べてみると、川崎って東京駅から東海道線で15分ぐらいで着いちゃうんですよね。しかも駅から雨に濡れずに1、2分で歩いて行ける。「こりゃ、仕事帰りでも7時からのコンサートに間に合うわ」と認識を改めました。
ということで、今回の目的は音楽鑑賞に加えて、「ホール鑑賞」(笑)。ここが「音が良い」と言われる秘密は、絶対にオーディオ(ルームアコースティック)にも活かせるだろうと、会場を見て回ってきました。
P
まずすぐに気がつくのは、オケが「すり鉢の底」のようなところにある。オペラのオケピのようだ、というとちょっと言い過ぎですが、<オーディオ的に考えると>これは「音量」の確保、という点ではメリットが大でしょう。音の逃げ場が少ないですから。
その代わり、オケと同じ高さのフロアの面積が比較的小さく、さらに「第一層」(笑)の一番後ろの客席のすぐ後ろが壁になってしまっています。<オーディオ的に考えると>ここはマズイ。LPのすぐ後ろに壁、というのがダメだというのは、どのオーディオの教科書にも書いてありますよね。確実に反射音で音が濁ります(距離が短いので、「ホール音」として分離して知覚できず、ただ直接音をゴースト化してしまう)。一応、この「壁」はQRD風の、音を拡散させる工夫がされていましたが。
Classicに造詣の深い友人から、「ミューザで聴くなら2階席」と聞いていたので、今回は2階のやや右サイドの席を確保していました。ここだと、後ろの壁からは遠く、左右の壁との距離もたっぷりあるので、反射の悪影響は少なそうでした。
もう一つ、ルームアコースティック的に興味深かったのは、天井の「穴」(笑)
エアコンのダクトにしては大きすぎるしたくさんありすぎるので、これは恐らく吸音トラップなんでしょう。「天井吸音」というのはかつてGRF邸でも体験していますが、もしかすると「いい音響」の一つのKeyかもしれませんね。ただ<個人的には>天井からのホール音が好きだからAuro-3Dというフォーマットに惹かれているのですが(笑)。
最後に、音楽的に興味深かった点を一つ。
今回のブラームスの1番はもう何度かLiveで聴いていますが、モーツァルトの40番は、たぶん、中学生の頃に母親に連れられて行って以来のLive。その頃には全く気がつかなかった、「現場ならではの発見?」があったんです。
私は中でも、ちょっと幻想的な感じがする第二楽章が好きなのですが、あの冒頭のパッセージって、3小節がセットになっていると思うんですが(音楽的素養がないので、間違っていたらご指摘ください=汗)、あれ、最初の1小節がビオラ、次の1小節が第二バイオリン、最後の1小節が第一バイオリンという風に、弾き分けているのをご存知でした?これ、全部同じ音程なので、普段映像レスの音源しか聴かない私は、完全に3小節全部同じように演奏(例えば、第一、二、ビオラの合奏とか)されているものだと思い込んでいました(ビオラのド、とバイオリンのドの音色の違いに気が付かなかったワタシ=汗)。
ご存知のように、一般的なオケの楽器の配置だと、ビオラが指揮者の右サイド、第二バイオリンがほぼ正面、第一バイオリンが左サイドになってますよね。ということは、このパッセージ、音が右から左に流れていくんですよ。このパッセージは何度か途中でも出てくるのですが、なるほど、だからなんか幻想的な感じ(「牧神」と通じるところがある。当日配布されていたパンフには、この曲はロマン派に片足突っ込んでいる、というような紹介のされ方がされていたが、さもありなん!)がするんだな、と。
で、改めて手持ちの40番を伊豆システムで聴いてみました。定番のベームのウィーンフィルのと、ラトルのベルリンフィルを(どちらも2ch)。と、確かにどちらも最初の1小節(つまり、ビオラパート)は、右サイドから音がするようにエンジニアリングされています。次の2つの小節は私の駄耳(または拙システム)では、はっきりと「中央と左」のようには分かれては聴こえませんでした。
でもミューザでは、目を瞑って聴いてもこのパートがはっきりと右から左に音が流れているのがわかったんです。<オーディオ的に考えると>私の席はオフセンターでしたからこのような音像定位はセンターに陣取らない限り(特に2chなら)はっきりとはわからないはずなのですが、こういうところがミューザが「音がいい」と言われる所以の一つなのかもしれないなあ、と思いました。
これは是非Auro-3D録音版が出て欲しいところですね。恐らくRCLの順にきっちりと1小節ずつ主音が割り当てられるでしょう。そうするとオフセンターで聴いても右から左に音が流れるのがわかるはずです。サービスエリアが広いのが、Auro-3Dというフォーマットのメリットの一つ、というのは、入交さんが常々おっしゃっていることですから。
さて、3日連続で異なる種類のLiveを聴いて、「Auro-3D」聴き(笑)の私の耳には、やはり小さなLiveハウスでのJazzはあまりAuro映えしないだろうな、と感じざるを得ませんでした。最近、すっかり「前からの音より横や後ろからの音に敏感」(笑)になっている<Auro耳>には、大きな空間にこだまする、観衆の拍手や叫び声を含めた大音響(RockやPopsかな?)による包まれ感や、中規模な空間に漂う倍音(Classicのホール音)の乱反射して消え入る様が、その音楽性のキモになっているような音源は、Auro-3Dと親和性が高いのは間違いないと三日連続のLive体験で改めて思いました。Jazz ClubのLiveも確かにオーディエンスのプレゼンス感などは2chよりSACDマルチの方がよく出ていて好きなんですが、Auro-3Dの強みの一つである、「高さ感」の演出はそこまで重要ではないので、キースの「ケルンコンサート」のようなもの以外は、Auro-3D(Matic含め)のメリットをそこまでは活かせないかな、と感じました。ただ、「奥行き感」はAuro-3Dだと確実に2chより出るので、たとえばピアノの立体感、のような部分に耳が行く方はAuroにメリットを感じるでしょうが、まあ、Jazz好きの方はたいてい、JBL+マッキン的な(笑)、「音が前にずんずん出てくる、かぶりつきで聴いているかのような音場・音像」を好まれるので、「ピアノがちょっと遠くで鳴って、余韻がホールに吸い込まれる」ような音場・音像はお好きでない方が多い気がします。
いつか、Jazzの素晴らしさを最大限に発揮しているNative Auro-3Dソース、というのが出てくると、Auro-3DファンをJazz好きの領域にも増やせるキラーコンテンツとしてとてもいいのですが!
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AURO3Dさん
お久しぶりです。
ARTの件では大変ご迷惑をおかけしました。
色々精査した上でガセではないと判断したのですが(汗)
ぬか喜びさせてしまい失礼いたしました。
さてMR.BIGのAURO-3Dですが、
この記事を閲覧後、購入しようと確認したところ、
国内流通盤の輸入版と書かれた商品しかなかったのですが、
BDにはatmos・2ch収録。
UHDには4K HDR10・atmos・AURO-3D・2ch収録とありました。
国内正規版として別で発売するのでしょうかね?
購入ボタンが準備中なのか、在庫切れなのかで、
現在購入不可なので、在庫復帰次第UHD購入してみようかと思っています。
投稿: tMo971 | 2024年8月 3日 (土) 18時55分
連投すみません。
先ほど、UHD盤の商品ページの準備整ったようで、早速ポチっておきました。
連投失礼しました。
投稿: tMo971 | 2024年8月 3日 (土) 18時58分
tMo971さん
いつもご覧になっていただいているようで、毎度どうも(笑)
早速、BD購入予約されたんですね!相変わらず、行動が早いですね!!!
>国内正規版として別で発売するのでしょうかね?
これは流石に出ると思いますよ。WOWOWでも日本の版元の方が司会をしておられましたので。
>ARTの件では大変ご迷惑をおかけしました。
>色々精査した上でガセではないと判断したのですが(汗)
>ぬか喜びさせてしまい失礼いたしました。
これはtMo971さんには何の落ち度もなく、いち早く情報を教えていただいた業界関係者のビデオでもはっきり「今年の春」、って言ってましたもんね。
落ち度があるのは(笑)、その後の業界関係者の方で、Dirac Liveの問題なのか、デノマラ側の問題なのかは分かりませんが、何やってんでしょうかね?
ライセンス契約料などのおカネをめぐる交渉が長引いているのか(今はドル円相場が激しく動いているので、料金をいくらにするかも、決断がたいへんそうですしね。高過ぎれば購入者が減るでしょうし、安すぎれば儲けが出ない・・・)、それとも技術的な問題なのか(使用した経験では、ARTはそれまでのDLBCに比してサーバー側に送るデータの量がかなり多い=送信時間が長い=ため、必然的にサーバー側が計算する時間も長く=結果の戻りが遅い=、ユーザー側のインフラの回線が遅かったりPCの性能が低かったりすると、途中でTime Outになってしまうことも結構頻発する)。
私は今はDLBCで楽しんでいますが、我々の仲間内では、「ARTまで出揃ってから、一括パッケージをインストールしよう」と考えている方もいるのですが、そのような方はDirac Liveの恩恵に預かれずに機器の陳腐化(ついでに自分の老化も!)が進んでいってしまうわけで(笑)。
一体、何が原因で遅れているのか、いつになったらデノマラでも使えるようになるのかなど、また早耳のtMo971さんが情報を掴んだら、是非「価格Com」なり、こちらのブログに書き込んでくださいね!
Storm持ちとしては、ARTの独占的なAdvantageを長く楽しめる反面(当初は独占状態は昨年末まで、と言われていたのに・・・)、Denon持ちとしては、早くARTが使えないとAVアンプを買い替えたメリットを活かせないという、非常にアンビバレントな気持ちです(泣)。
投稿: Auro3D | 2024年8月 3日 (土) 20時35分
こちら視聴できるようになっています。
https://www.live-extreme.net/demo-hallofhalls
投稿: M | 2024年8月 9日 (金) 19時56分
Mさん
>こちら視聴できるようになっています。
>
>https://www.live-extreme.net/demo-hallofhalls
ご案内、ありがとうございます! これは、先日Live配信した、「オルゴール博物館」でのソースですね。ようやく休暇を確保して伊豆に来ることができ、今し方、今度のJazz Liveの「予行演習」を兼ねて、再生してみました。
最初に、Mac(M1)で試みたのですが、なぜか7.1chでしか再生できず(恐らく、Type-CからHDMIへの変換器を入れているためと想像)、HDMI出力のあるWindows PCに切り替えて、高品質の短いHDMIケーブル(光ではない)を使用したところ、無事、「13.1ch」でデコードできました!
ただ、私のStormのPC画面で確認できる「Inputs」を確認すると、5+4になっていますが、とても不思議な出力になっているんです!
第1層はLCRには普通に入力がありますが、なぜかサラウンドに入力がなく、サラウンドバックに入力がある、5chになっています。第2層も不思議なことに、HLCRの前方上方3chだけに入力があり、サラウンドハイトに入力がありません。でも第3層のTOPには入力が確認できています。LFE出力はありません。つまり、とても不思議な、5.0.3.1の9chになっているんですが???
KORGのテストサイトでは、正しく13.1chの「Inputs」を確認できているのですが、このリンク先の音源を、「13.1ch 48/24」として再生すると、上記のようになってしまいます。
さらに不思議なのは、確認のため、「11.1ch 96/24」で再生してみますと、Stormでは正しく、「96KHz 11.1ch (7+4)」と認識され、第一層ではサラウンドにも入力が確認される7ch、第二層ではサラウンドハイトに正しく入力がある4chになっています。私のStormでは、自動的にこのソースを13.1chに拡張します(つまり、センターハイトとTop=VOGにも合成された「Inputs」が入力される)ので、拙宅では、こちらの「96KHz 11.1ch (7+4)」を選択したほうが音質は言うに及ばず、あきらかに音場も優れています(「13.1」を選ぶと、上述した変則的な9chでの再生になってしまうため)。
結論的に言って、どうもこのリンク先にある先日のオルゴール博物館の音源の13.1ch用のオーディオファイルは壊れている?としか思えないのですが、Mさんのシステムでは、13chとして「正しく」、全てのSPからDiscreetに音が出ていますでしょうか???
投稿: Auro3D | 2024年8月14日 (水) 20時38分
皆様
オルゴール館ライブに関しまして、考察ありがとうございます。実はその不具合は私の方でも確認しており、KORGさんに善処をお願いしているところです。
その原因として、ch5-6とch7-8が入れ替わって配信マスターになっているということが判明しました。なぜこのようなことが起こるのかといいますと、SMPTEでは7.1chのチャンネルオーダーをL,R,C,LFE,Ls,Rs,Lb,Rbとしているのですが、MS-WAVやFLACではL,R,C,LFE,Lb,Rb,Ls,Rsと5-6と7-8の定義が真逆になっています。
今回の場合、最終の配信マスターを作成するために変換作業を行うのですが、その際に使用するツールにSMPTE準拠の考え方と、FLAC準拠の考え方が混在したため、5-6と7-8が逆になってしまったようです。
現在、ファイルを修正するべく作業中ですが、お盆休み中でもあり時間を要しているようです。
ご不便をおかけしますが、今しばしお待ちください。
急がれる方は、MACの場合でしたら対症療法があります。5-6と7-8がひっくり返っているので、MACのオーディオ設定からスピーカー構成へと進み、この中でチャンネル順を1-2-3-4-7-8-5-6と5-6と7-8を逆に設定しますと、AVアンプには正しい順で入力され、正しい再生ができます。ぜひ試してみてください。試した後は元に戻すことにご留意くださいね。
以上が事の顛末となります。混乱させたことにつきまして、この場を借りまして、お詫び申し上げます。
投稿: 入交英雄 | 2024年8月14日 (水) 21時49分
入交英雄さん
早速のご回答ありがとうございます。今回は、「実名」でご連絡をいただきましたので、エンジニアとしての<覚悟>(笑)を尊重しまして、実名表記を残しますね。
>急がれる方は、MACの場合でしたら対症療法があります。5-6と7-8がひっくり返っているので、MACのオーディオ設定からスピーカー構成へと進み、この中でチャンネル順を1-2-3-4-7-8-5-6と5-6と7-8を逆に設定しますと、AVアンプには正しい順で入力され、正しい再生ができます。ぜひ試してみてください。試した後は元に戻すことにご留意くださいね。
これ、早速やってみました。「スピーカーを構成」というところから入り、ご指摘の通りに番号を入れ替えましたら、無事!!!13chで正しくデコードされました!!!
今、それを聴きながらこれを書いておりますが、つい先日行ったばかりの「オルゴール博物館」の音場感を彷彿とさせますね。この<ホール感>のリアルな再現、というのは、Auro-3Dの素晴らしさ(つまり、演奏以外の部分で<臨場感>が2chや5chやAtmosなんかとは全く違う)の一つだと最近気が付いたところです!
「チッカリング9フィートモデル」の<渋い音>をうまく活かした、福井さんの「沈める寺」を思い出させてくれています!いい時代になったなあ(笑) ありがとうございました!!!
投稿: Auro3D | 2024年8月14日 (水) 22時18分
皆さん
ファイルの修整が完了したそうです。15日7時現在、私も試しましたが、正常に再生できました。
先に書いた対症療法を行いますと、逆に変なことになりますので、ご注意ください。
取り急ぎ
投稿: 入交 | 2024年8月15日 (木) 08時18分
入交さん
わざわざご連絡ありがとうございました。確認できました!
週末から配信されるJazzの方は大丈夫だと信じて笑、楽しみにしております。
>
>皆さん
>ファイルの修整が完了したそうです。15日7時現在、私も試しましたが、正常に再生できました。
>先に書いた対症療法を行いますと、逆に変なことになりますので、ご注意ください。
>取り急ぎ
投稿: Auro3D | 2024年8月15日 (木) 21時58分