備忘録:邪念の払拭と将来的な課題をいただいてきました(笑)-TIASとその後の入交氏との懇談会にて
昨日、「2024東京インターナショナルオーディオショウ」(TIAS)に行って参りました。私は「そろそろ老後の資金を貯めないといけないので、オーディオ関連の散財はもう打ち止め!」と心に決めている(つもり=汗)なのですが、<煩悩>は拭いきれておらず(笑)、密かに「二つの野望」(笑)を持って、ほんの数時間だけ、ピンポイント参加したのです。
【隠れた野望1】
これは何人かの方には打ち明けたことがあるのですが(笑)、ブログに書いたりすると「言霊」となって実現を迫られるのが恐ろしく(爆)、これまで書いたことはありませんでした。
それは、日本未上陸の「密かに狙っているスピーカー」があったというお話です。そのSPというのは、「MAXIMA AMATOR」というソナスのもので、実はこれ、私が持っているElecta Amator IIIと<全く同じユニット構成>のまま、「フロア型」にしたものなんです。もう何年も前から本国のHPにはLineUpされているのを知っており、ずっと気になっておりました(汗)。
【写真はHPより引用】
なぜって、もしこれが手に入るのであれば、LCRをこれにして、EAIIIをサラウンドにすれば、あの、「甘い音」(笑)に囲まれる、バラの園のような(笑)サラウンドシステムの「香しい音」が聴けるだろうな、と夢想したからです。
幸いにも(?)、これまで日本では正規扱いが無いので、並行輸入なんて保証がない怖いことはできないヘタレな私は、指をくわえて見守っていたのですが、内心、「もしこれをノアが扱うようになったら…」と、期待と不安(汗)を持ち続けてきたものでした。
ということで、今回はこの「迷い」に決着を付けよう(笑)と、ノアのブースに足を運んで牧野社長(彼は伊豆の拙宅にお見えになったことがある)に「直撃取材」を敢行!
「EAIIIのフロア型が存在するのはご存知と思いますが、これを輸入販売する予定はありますか?」
「取り扱う予定はありません」
「なぜですか?」
「試聴した音が気に入らなかったからです」
「低音が甘くなるんですか?」
「その通りです。これを入れることで、評価の高いEAIIIの評判が落ちるのを懸念したのです」
よっしゃー!邪念払拭!!! カタログ的にはエンクロージャーを大きくした効果と思われる、f特の最低域が数ヘルツ下がっているデータが掲載されているのですが、これはバスレフのf0が下がったからであって、ウーファーユニットを強化したからではないため、「低域が緩くなっているんじゃ…」と素人ながら予想していたのです。どうやらこの<へっぽこ予想>が珍しく当たったようでした。
言うまでもなく、つい数か月前に、主戦のSonetto VIIIを5台すべてチャンデバ化したばかりなので、その時点ですでにある程度は踏ん切りがついていたのは事実ですが、これで<完璧に>未練を断ち切れました(笑)。老後の資金、セーフ(笑)。
【隠れた野望2】
これは実はチャンデバ化で最もお世話になった、ご近所づきあいをしている自作ハイエンド2ch派のMyuさんにヒントをいただいていたものです。それは、「ツイーターを交換して高域再生能力を強化しては」というものでした。
Myuさんと私は、「空間表現」がオーディオ再生に於ける大事な要素である、という点で価値観を共有しており、この「空間表現」をより洗練するのに、f特上のハイエンドを伸ばす、というのは効果があるということ自体は、私も完全に同意していました。オーディオショーやショップなどで、40KHzあたりまでの高域再生能力を備えた最新設計のSPを聴かせていただくたびに、超高域の再生能力と空間表現能力は比例関係にあるという経験則を形成していたからです。
とはいうものの、さすがにツイーターを12台すべて交換するのは大変なので(汗)、手っ取り早い高域強化方法として「スーパーツイーター=STを足してみたら?」と考え、Add-onでどうなるのかを確かめようと、最初に向かったのは、FYNEオーディオのブース。このブランドは、最近、「SuperTrax」という名前のAdd-on用のSTを出したばかり。私はもしSTを自分のシステムに入れるなら、「無指向性」のものが欲しいので、これは候補の一つです。音質もさることながらデザインを無視できないワタシ(笑)は、このWoodyな仕上げだけで高評価(笑)。
会場にはグランドスラムさんとご一緒したのですが、どうやら最初からST付きでプレゼンしているようでした。幸い、ここの輸入代理店の営業担当の方がグランドスラムさんとお親しい(さすが、彼は顔が広い!)ことから、私の無理なお願い(汗)を聞いていただき、「SuperTrax」の有無の比較試聴をさせていただきました。
…やはり、いい! STオンだと、むしろ高域の荒々しさが無くなり、スムースになります。で、なぜか中低域も締まった感じがする。下方への倍音の影響なんでしょうか?(ロジックは私にはわからず…) そして肝心の「空間表現」ですが、お部屋が確実に広くなったように感じました。Add-onでも期待通りの効果があるようです。
次に向かったのは、ELACのブース。ここには昔から有名なリボンの無指向性Add-on用STの最新バージョンの、「4PI PLUS V」がフロア型(多分、VFSシリーズ)のSPの上に乗せられてプレゼンをしていましたが、お部屋が狭いうえにお客さんがあふれていて、とても「有無の実験をしてください」と頼める状況ではありませんでした(写真も撮りそこなったし)。あの狭い部屋にあれだけ吸音体(=人間)が入っていると、その音をうんぬんするのは控えるべきでしょう。ただ、リボンの高域表現はかつてシバンニ邸のPiegaでじっくり聴かせていただいて、品位の高い表現力を持っていることを知っているので、これもかなり有力な候補です!
【写真はHPより引用】
最後に、これは立ち話だったのですが(汗)、業界関係者のMさんのご紹介で、ジャーマン・フィジックス(GP)の輸入代理店の庵社長とお話しすることができました(ダイナのSさんも通りかかってお二人も親しいようで、「じゃれ合って」(笑)おられました!世界は狭いなあ・・・爆)。GPには前々から並々ならぬ興味を持っていることは以前もどこかに書いた気がしますが、その理由は、あの「ダースベーダーの頭」(笑)そっくりのDDDユニットが、超高域まで再生できるうえに、それが<球面>に音を放射できる恐らく唯一(?)のツイーター(?)であるからです。
【写真はHPより引用】
DDDユニットをSW?と組み合わせたセットはかつてGRF邸で体験しており、その印象は今は亡きPhile-Webに書いたはずなので割愛しますが、この「DDDユニットをAdd-onできないか?」というのはずっと前から持っていた<野望>だったのです。しかし、長らくGPが日本に正規輸入されていなかったので、「妄想の外」にありましたが(笑)、幸か不幸か、正規輸入が再開され、その社長さんが目の前に。
「DDDユニットって、買えますか?」
「今は、メーカーからの指示で、単体での販売はしておりません」
オーマイガー!
まあ、売ってます、と言われたら、別の意味で悩んだ(確実に、先の二つよりお値段が…)と思うが(笑)。
さて、ここまでがTIAS編なのですが、この【隠れた野望2】には、その日の夜の「Auro-3D友の会の懇親会」にお招きした入交氏との会話の中で、オチがつきまして(汗)。
「実は、伊豆のシステムにスーパーツイーターを付けようかと思っているんですが」
「Add-onですか?」
「ハイ」
「なら止めた方がいいです」
「なぜですか?」
「位相が狂うからです。2chなら、多少位相が狂った方が空間的な広がり感につながる場合もありますが、Auro-3Dの場合は確実におかしなことになります」
うーん、「入交教」の使徒(爆)としては、彼の助言に逆らうことはできない(この後、「やっぱ、ST入れました」なんて言ったら、二度と拙宅の敷居をまたいでいただけないだろうし、このような懇親会にも来ていただけないであろう・・・汗)。確かに、Add-onの場合は、私が信頼するDirac Liveの「管理外」になるので、COやスロープ、そして「位相」をDiracが自動調整することはできない。入交氏は、STがダメ、と言われたわけではなく、「Add-onによるSTがダメ」ということだったので、STを入れてもチャンデバで4分割(=4Way化)にすればOKなのだろうが、それは機器面、金銭面、技術面すべてにおいて、無茶苦茶ハードルが高い(大汗)。
ということで、私が長年?温めてきた【野望】は二つとも、昨夜、完膚なきまでに潰えたのでした…(お財布的には、めでたしめでたし…なのだが=泣)。
最後に、入交氏との懇親の席でのやり取りで、ちょっと気になった点を備忘録として。
・Auro-3Dの最大の魅力は、2chでは実現できない「高解像度に支えられた立体的な音像定位」。そのためには、STの導入なんて言ってないで、SPユニット自体をテコ入れし、完全に13台を揃えた方がいい。原理的に位相が狂わないフルレンジにしたらどうか?少なくとも同軸で(ムジークを勧められました…)。
←これは、恐らく、私のブログを入交さんがたまにご覧になっていただいていて、私がよく、「Auro-3Dの最大の魅力は<音場>」と書いているのをご存じだからだと思います(汗)。確かに、素人感覚でも「音場感」はそこまでRigidなシステムでなくてもある程度は出せるような気がしますが、精緻な「3Dの定位感」(これは以前にも、「舞台俳優に当たるスポットは、それが正確に調整されていれば、スポットが多いほどくっきりする」というようなお話を聞いたことがあります)を実現するには、1.13台完全同一SP、2.13ch完全同一パワーアンプ、3.13台完全等距離(LPから)―による、<電子的補正を一切使わない>Auroシステムを構築するしかありません。入交さんはこれが「究極のAuro-3Dの音」であり、そこを目指せ、とおっしゃっているのだと思います(「一度体験するために、仕事場に作ったら?」とまで言われてしまいました・・・汗)。
入交さんには拙宅にお見えになったとき、一応拙宅のAuroシステムに「合格」は出していただいてますが、やはりプロからみれば、所詮「家庭用の音の範疇における、合格」に過ぎず、モニターレベルには程遠いのだろうな、と思います。
今後の課題としては、「音場感」はさることながら、Auro-3DのNativeソースを再生した場合の、「3次元的な定位感」を磨き上げることに注力したいと思います。ソースとしては、Auro映えするオーケストラではなく(汗)、ソロ楽器やボーカルなどのソースを使って、検証を進めるべきでしょう。問題は方法論で、X1さんのように、もう一部屋作る余裕があれば、「All 目玉のオヤジ」のシステムを組むのですが…(汗=ソナスを全部売って買い替えればおつりが来るって?=笑) 「理想」は理想として理解しますが、そこまでハードル上げたら、誰もAuro-3Dなんかやれなくなると思うので(爆)、今の自分の環境でできることとすれば、スピーカーの種類の同一化をなるべく進めることや、より精度の高い設置位置や角度・距離を(まるで2chのように)ミリ単位で微調整するということでしょうか? これについては今後の課題として、詰めていきたいと思いました。
最近のコメント