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2024年6月

2024年6月27日 (木)

たまには、Auro-3D音源の紹介!-最近のダウンロード購入から

この「友の会」ブログでは、これまでどちらかというとハード面(システムの機器や使いこなしなど)に重点を置いて紹介してきましたが、そろそろネタが尽きてきた(機器の入れ替えをしょっちゅうやるほどの財力は無いし…)こともあり(笑)、今回は最近ダウンロード購入したAuro-3Dファイルの中から、今、お気に入りのものを選りすぐって紹介したいと思います。

 

私がAuro-3Dに取り組み始めた数年前は、まだNativeソフトが極端に少なくて、音楽ならノルウェーの2Lレーベルの現代宗教音楽、映画ならオランダとかドイツ?あたりのB級映画しかなく、しかも全部がBDで試聴ができず、 仕方がないので取り敢えず「人柱」(汗)になるつもりで全部買ってみたものの、保守的なクラシック初心者の私の耳には、半分以上は 「もう二度と聴くことはあるまい」(泣)というレベルで、とても無駄が多かったのですが、ここ1年ほどでダウンロード販売されるAuro-3Dソフトが急に増え、しかもクラシック中心ではありますが、かなり有名な作曲家の作品もボチボチ出てくるようになりました。最近Auro-3D対応のAVアンプを買われた方は、クラシックであれば、そこそこソフトも充実してきていて「うらやましい」(笑)です。

 

そのような状況の中、「AVアンプでクラシックを聴こう!」とアピールをしている手前、少しはAuro-3Dのオススメソフトも紹介しないといかんな、と思いまして。で、今回ご紹介するのは、以下のサイトから購入したものです。今、ちょうど「25%オフセール」中のようですよ(笑)。

 

https://trptk.com/

 

ここのサイトからはこれまでかなりの音源ファイルを購入していますが、最近ハマっているのは、以下の3点。

 

1.Maya Fridman & Daniël KoolThe Invisible Link

 

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Maya Fridmanはオランダの女性のチェリストです。Auro-3DNativeソフトって、2Lなんかもそうなんですけど、普通のクラシックアルバムらしい、『モーツァルト ピアノ協奏曲第23番、24番』とか、『カラヤン・ベルリンフィル、ブラームス交響曲全集』のような、<誰が、何を演奏しているのか?>をタイトルに取らないものが多いんですよね、なぜか。このアルバムのタイトルも、直訳すれば「目に見えない結びつき」って感じになるんですけど、往々にしてこういう「凝った」タイトルのアルバムはアブナイ(笑)。

 

どうアブナイかというと、クラシック初心者の私が好む、「有名曲」が全然入っていないことが少なくない(汗)。つまり新進気鋭の、現代作曲家の作品だったりするんです。

 

もちろん、中には「おっ、これ、好み!」という掘り出し物もあり、「これは誰も知らない名曲だな!」という発見する楽しみもあることはあるのですが、今までの経験からはその確率はかなり低い(泣)。Discも含めて、「もう二度と聴くことはないだろう」リストに入っているAuro-3Dソフトは少なくありません(大汗)。

 

ゆえに、Auro-3DNativeソフトを購入する際には「ジャケ買い」や「タイトル買い」はとても危険だということを最近ようやく学び(笑)、必ず収録曲一覧をチェックするようにしています(私は演奏者にはあまりこだわりがないタイプ…)。

 

で、このアルバムをポチったのは、Arvo PärtFratres for cello and pianoが入っているから。

 

この曲とは大学生の頃に出会ったのですが、きっかけは故吉田秀和さんの音楽評論でして。もうその記事になんて書いてあったのかはサッパリ思い出せないのですが(笑)、とても<文学的な美文>だったという記憶だけが残っています。同じ文系でも私のような社会科学系のDisciplineの人間には決して書けないもので、はっきり言って、その「音楽」を聴かずに、その「美文」だけを信じてCDを購入したのです。

 

果たして、吉田氏の「美文」に裏切られることなく、私のお気に入りの曲となり、ちょっと友人に「自慢できる」(爆)、コレクションの一つとなりましたが、今まで一度もLiveで聴いたことが無く(まあ、必死に探せばどこかでやっているんでしょうが・・・)、死ぬ前に一度くらい(大げさ?)Liveで聴いてみたいと思っている何曲かのうちの一つだったんです。

 

それが!私の愛するAuro-3D Nativeで聴ける!!! 即、ポチ(笑)。

 

96/249.1chで、S/Nやダイナミックレンジなど、録音がいいので、「音楽」が気に入らなくても、オーディオチェック用にもいいと思います。

 

2.Alexandra Kaptein: Liszt: Lebenswanderung

 

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これは、最後のドイツ語らしき単語の意味は教養のないワタシでは不明ですが(汗)、ピアノ好きとしてはまずはLisztに反応(笑)。で、演目をみるとシューベルトの『冬の旅』になっている。「変だな、これシューベルトだし、歌曲なのに?」と思って、ライナーノートを読むと、どうやらこれ、リストがピアノソロ用に編曲をしたものらしい(そんなのがあるとは知らなかったのは私だけ?)

 

同じサイトでちゃんとした歌曲の『冬の旅』のAuro-3Dソフトを買っていたので、「そのインストルメンタル版と聴き比べるのも面白そう」と思って、ポチっと。

 

さすがに、f特もダイナミックレンジも「本物のリストの超絶技巧シリーズ」ほどではないので(笑)、これはオーディオチェック用より、「音楽鑑賞用」として気に入ってます。

 

3.Nicolas van Poucke: Sweelinck, Mozart & Debussy: Live at the Royal Concertgebouw

 

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これは、今回一番のオススメ(笑)。タイトルに、「Mozart & Debussy」と私レベルでもよく知っているクラシック界の大スターの名前があるうえに、これはちゃんと会場名が! なんと!世界3大クラシックホールの一つという呼び声も高い、ロイヤルコンセルトヘボウじゃないですか!!! 一番最初にある、Sweelinckって誰?とは思ったものの、これはもうタイトルだけでポチるしかない!

 

中身はピアノソロなんですが、特筆すべきことはこれ、Live収録なんですよ!!!今まで数多くのAuro-3Dソフトに大枚はたいてきましたが(汗)、ピアノソロのLive収録(つまりコンサートで観客アリという意味)のものは、はっきり言って門外不出の入交さんの制作物以外では聴いたことが無い!(オケなら、GattiRCOのマーラーやNew Year's Concertなどがありますが)

 

残念ながら私は未だ、Royal Concertgebouwには行ったことが無いのですが(これは死ぬ前に必ず行きます!誰か付き合ってくれません?=笑)、写真で見る限り、どうやら演奏会場は上述のオケ用のLive会場よりコンパクトな、ソロ用の小ホール?のように見えます。

 

これはますます期待が高まる!ホールが小さい方が反射音が多く、残響音がはっきりと録音されているはずで、「風呂場のカラオケ好き」を公言する(汗)私の好みに近いだろうと思ったからです。

 

これをダウンロード購入した時は早く伊豆に行きたくて行きたくて(書斎のボロAuroシステムで先に聴くことは敢えて控えました!)、一日千秋の思いでした(爆)。

 

で、初めてこれを再生した時(以下、ネタバレあり)、第一曲目の冒頭の<暗騒音>部分からもう鳥肌もので!コンサート会場に足を踏み入れた瞬間の、あの「ざわっ、もやっ」とした空気感が出てるんです、ものすごく。これはLiveなので、もしかしたら録音時はAuro-3D用のツリーマイクを会場の上部空間に設置しただけで、Onマイクを使っていないカモ? もちろん私の単なる想像ですが、なぜって、ピアノの打鍵の鋭い音より、ホールの響き、観客のざわめきが、普通の録音よりはかなり目立つマスタリングになっているからです。

 

で、曲が始まっても、なんかあっちで人の足音が聞こえるわ、こっちで咳払いが聞こえるわ、1曲終わると隣のおっさん(勝手に想像!)の拍手がやたらうるさいわ(笑)、で、超リアルなんですよ。もちろんピアノの演奏や録音も素敵で、ホールのドーム型の天井が見えるよう(笑)。

 

実は今、東京の書斎のシステムでこれを聴きながら書いているのですが、伊豆のシステムの音とははっきり差が出ていて(泣)、つまり、これはAuro-3Dのシステムチェック用にとてもいいです!スピーカーの配置の正確さ、ルームアコースティック(補正含む)のクオリティ、13台のSPの再生音質のレベルや音色の統一感の差、などがもろに出ます!

 

こりゃあ、次のAuro-3D友の会のオフ会の「課題曲」に決定だわ(=独断=爆)!!!

2024年6月23日 (日)

OTOTEN 2024雑感-Auro-3Dを中心に

昨日、有楽町の国際フォーラムで開催されたOTOTENに行って参りました。私はオーディオ機器オタクではないし、そろそろ老後の備えを蓄えないといけない年齢になってきて()、「危うきに近寄らず」的な警戒感(爆)もあって普段はこのようなイベントに参加しない方なのですが、今回、「我らが!入交さん」が出演されてAuro-3Dネタをやる、と伺っては万難を排し、参加せざるを得ないのが「友の会会長」というものでしょう!()

 

以下、その簡単なご報告と、それ以外に私が興味を持ったネタをいくつか紹介したいと思います。

 

GenelecブースでのAuro-3D体験】

 

まず、Auro-3D&入交さんですが、プロ用のモニターSPで有名なGenelecのブースで、オーディオ評論家の山之内正さんとお二人で、『イマーシブ最前線』というタイトルで1時間のショーにお出になっておられました。

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Img_2648 まず、最初に興味をひかれたのが、このGenelecSP群は、GLMという名称のシステムで組み上げられたAuroシステム(12.1ch構成でした=Topレス)だということ。知らなかったのは私だけかもしれませんが(汗)、これは何年も前からGenelecのウリの一つだそうで、要は、全スピーカーをLANケーブルでPCにつないで管理し、PCに入れた専用ソフトで統合的にOrganizeするというコンセプトのもののようです。

 

このGLMは年々バージョンアップをしていて、今やAuro-3D13.1ch にも対応しているために、今回のデモになったようです。

 

ご存知と思いますが、プロ用のモニターSPは今や内蔵チャンデバ・マルチアンプ方式のPoweredが標準で、アンプもスピーカーケーブルも要らないのですが、その代わり、XLRケーブルをプリ?(コントローラー?)に(スター方式)、LANケーブルをPCと他のSPに(ディジーチェーン方式)つなぐ必要があります(もちろん電源も!)。

 

で、つないだ後は、LPにマイクを立ててキャリブレーション。そこで、各SPの適正な音圧、Delayf特補正などをするのは「お約束」ですが、どうやら位相管理や定在波の打ち消しのような機能もあるらしく、ほとんどDirac Live ART と同等のクオリティを持つ補正ソフトのようです。

 

デモの音源は、最初にティールマンの2024New Year’s ConcertImg_2640 次が入交さん制作の新作のフル13.0chのピアノソロ(武満やドビュッシー)でした。Img_2641 私は出遅れて立ち見(聴き)席だったので(部屋が人いきれで息苦しくなるぐらいの盛況ぶりで、「Auro-3Dの未来は明るいかも?」と思わせてくれるほどでした!)、残念ながらベストのLPから遠かったので音像定位はともかく、とてもクリーンで透徹している音場感は、「位相耳」の私()には出色のものだとすぐに分かりました(プロ用モニター機器のプレゼンらしく、会場がかなりDeadeningされていたのも相まって)。音色はやはりモニターらしい怜悧な感じで、ムジークフェラインはともかく(まあ、これはウチの音の方が好きだな=汗)、ピアノはこの怜悧な感じがマッチしていて、一聴の価値のある音を出していました。このブランドはプロ用のイメージが強いので、このGLMというシステムも一義的にはプロ用なのでしょうが、プロのスタジオ並みのAuro-3D Nativeソースの正確な再現を目指すのであれば、LINNExactシステムが未だAuro-3Dには対応していない状況の中では、このGenelecで揃えたGLMによるAuro-3Dの再生が「精緻さ」においてはベストかもしれません(ただし、マニュアル通りのSP配置を前提として、さらに音質とデザインが気に入れば)。

 

結構このGLMというシステムが気に入ったので、拙宅のハイトLCRをパワーアップするために3台だけ入れ替えてGLMの恩恵を得られないかな、とエンジニアの方に伺ったところ、「全SPGLM対応のSPで揃えないとGLMは機能しない」とのことでした…チラッとうちのソナスのシステムを全部売っぱらって、とか妄想をしましたが()、やはり手塩にかけてチャンデバ化改造までしたシステムを手放したくはなく…残念。

 

もう一つ残念だったことは、この会場のサラウンドハイトSPの設置位置が、サラウンドSPではなく、リアSPの真上にあったこと(つまり、リアハイトの位置)。終了後私が入交さんにこのことを指摘すると、「ATMOS映画の実演もあるようですから…」と。相変わらず、業界的には「ATMOSAuro-3D」というヒエラルキーなんだと実感した次第(泣)。

別の意味で興味深かったのは、司会をされていた山之内さんが、「イマーシヴは、スピーカーの数が多いため、2chに比して弱音の表現にすぐれる、奥行き感が出る、フォルテッシモが余裕を持って再現できる」などと長所を説明し、「これからは2chではなく、イマーシヴオーディオの時代です」(いずれも大意)という趣旨のお話をされていたこと。「おお、なかなか分かってるじゃん!」と不遜にも<上から目線>(爆)で大きくうなずきながら聴いていましたが、終了後に、別の会場に行っておられたMyuさんと合流し、喫茶店でお互いの「土産話」を紹介しあう中でこの件をお伝えしたところ、「えっ、山之内さんって、確かバリバリの2ch派で、ご自宅でマルチなんかやってないのでは?」と()。まあ、最近始められたのかもしれませんが(爆)、私の記憶でも、オーディオ評論家でAuro-3Dに関心のある方は麻倉さんぐらいのイメージだったので、もし山之内さんが<転向>してくれたのであればご同慶の限りです!

 

【ちょっと気になっていたAuroシステム関連オーディオ機器の話】

 

1.EversoloDMP-A8

折角ですから、入交さんのプレゼン後、あちこちを少しだけ覗いてみました。まず最初に向かったのは、ブライトーンという輸入代理店?のブース。お目当ては、EversoloDMP-A8です。これ、最新号のHiViでも取り上げられているので、ご存知の方も少なくないと思いますが、ずいぶん多機能なネットワークプレーヤー?です。Made in Chinaに抵抗のある方もおられるかもしれませんが、Can’t resistなのがそのお値段()。今時のハイエンド機器よりゼロが一つ少ないので(大汗)、庶民の私でも手が届きそうなんです。

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私がこれに注目した理由はただ一つ。HDMIのデジタルOutputがあるからです(ほとんどのネットワークプレーヤーには備わっていない)。もしこれを使って、NASに入っているAuro-3Dのダウンロード購入したファイルをHDMIケーブルでAVプリに渡せるなら、購入検討に入りたいと思ったのです(現状はOPPO205か、PC経由のRoonで再生しているが、それぞれ欠点もあるので、できれば安定的な最新の専用機に任せたい)。

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ブースに行くと早速担当エンジニアの方を捕まえて、質問攻めに(=仕事柄=笑)。で、分かったことが、このA8HDMI出力は、2ch ONLYだということ・・・「マルチがやりたいのであれば、こちらをどうぞ」と言われたのが、その姉妹機のA6。こちらもHDMI出力があり、マルチチャンネルに対応しているのだとか。お値段も約半額なので、お財布には優しいのだろうけど、その分、性能も半分じゃあ、「オーオタ」としては・・・()。ということで、対立候補である、RoonNucleusの最新版が出るのを待って、比較検討かな。特にギャップレス再生ができるかどうか、が気になるので、それを確かめてから。

 

2.Magnetar UDP900

 

これもすでにあちこちの雑誌で取り上げられているものだが、実は実物を見るのは今回が初めて。いうまでもなく、これは手持ちのOPPO 205の後釜候補。これに期待する最大の機能はSACDマルチをHDMIAVプリに送るお仕事。この機能も絶滅危惧種なんですよね・・・私は繰り返し主張しているように、Auro-Maticは、2chソースより5.1chソースに適用した方が効果が高いと確信しているので、手持ちのSACDマルチ(Classicだけ。JazzMaticにしないことが多い)のディスクにあるソースをどうしてもHDMIStormに送り込む機器が必要なのだ。もちろん、ここでは書けないようなことをすれば(汗)、NASに入れられるのは知っているが、それは仕事柄(汗)、少なくとも「現役」の間はやるわけにはいかない。まあ、せいぜいあと現役も数年なのだが、それまでOPPOが持ってくれるかどうかが怪しい。修理受付が終了しているので、故障したらその瞬間「タダの箱」となり(泣)、これまで集めたSACDマルチのディスクがコースターになってしまう()

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ということで、まずは質感を確かめに「見てきた」(実は聴いていない=汗)。XLRの2ch出力もあるので、OctaveにつないでAmator IIIでも楽しめそうだ。うーん、どうしようかなあ・・・(ただし、NASのマルチファイル再生はギャップレスができないそうです。2into 1とはなり得ないようで、残念。もしこれがOKだったらとっくに買い替えている)。パイオニアかSonyあたりが乾坤一擲、ハイエンドユニバーサルプレーヤーを出してくれないかなあ(やっぱり国産は信頼度が違うので…)。

 

【お笑いネタ2題】

 

1.「世界初の音楽リスニングチェア」

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タイトルからして胡散臭い()けど、このリーフレットの説明を読んでいて、思わず「目が点」()

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「背後からの反射音」好きだからAuroシステムを組んでるんだけど(爆)。

 

2.「ダブルウーファーズ会長 故永瀬宗重氏開発によるレコードスタビライザー」

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私は、グランドスラムさんのお導きで、彼とテーブルを共にする機会がありまして、確かに「親分肌」のカリスマ性のありそうな方でしたが、まさかリーフレットの見出しになるとは!!!

 

私も「Auro-3D友の会会長 故XXXX氏開発による・・・」を頑張って考案しなきゃ!(爆)

 

 

【最後に、Auro-3DStreaming コンサートのご案内】

 

これは入交氏からの情報です。

WOWOWでは6/21Jazz not only Jazzと銘打った主催公演を行い、石若駿セプテット+ゲスト(ゲストの中には上原ひろみも)のAuro-3D Native Live収録をしたようです。

それをKORGが開発している「Live Extreme」で、8/16から1週間のビデオオンデマンド アーカイブ配信をするそうです。

スペックは、96kAuro11.17.14H)48kAuro13.196kAuroHeadphones

 

参加方法や申し込みなど、詳しくは以下のサイトをご覧ください。

https://teket.jp/10343/35750

 

日ごろ、「Auro-3Dって結局ヨーロッパのマイナーなクラシックばかりで、JazzにはいいAuro-3Dソフトがない」とか、「折角13台のSPを苦労して設置したのに、肝心のAuro-3Dのフルフォーマットの13.1chの音楽ソフトがない」とお嘆きのアナタ、千載一遇のチャンス到来ですよ!!!

実は私は今度、Siltechさんと青山のBlue Noteに上原さんを聴きに行く予定なのですが、はっきり言って、あそこはPA使っているし、そのシステム(確かSPJBLだった記憶が)より、ご自宅のシステムの方がいいものを使っている方は、まず確実に、Auro-3Dのハイレゾ配信で聴いた方がLiveより「音質はいい」と思いますよ()。しかも地方にいる方でもご自分の部屋で居ながらにして、赤ワインと生ハム()を味わいながら、Liveコンサート<以上の>音楽体験ができるんですよ(大画面で大勢で楽しんでも同じ料金なので、是非、ご友人をお誘いください!)・・・21世紀まで生きててよかった()

 

是非!!!(情報拡散希望!)

2024年6月13日 (木)

Auro-3D(Matic)の奥行き表現と、サラウンドハイトSPとの関係

今回は久しぶりに、Auroシステムの使いこなし・注意点のお話です。【6月25日最終段落加筆】

 

皆さんは、Auroシステムにおける、「サラウンドハイトSP」はどのような役割をしているか、ご存知ですか?言うまでもなくサラウンドハイトSPはサラウンドSPの直上1.5Mぐらいの位置で、仰角は30度というのが、『マニュアル』 通りのレイアウトですね。

 

で、普通は、ハイトSP群は第二層にあるのだから、「高さ感の演出」に一役買っているのだろうと思われていると思います。それは確かです。特にサラウンドハイトは、真ん中にVOGを挟んで、LPの左右(90110°)上方にあるのですから、頭上にDiscreetに音が振られているような、竜巻(『Twister』)とか教会の鐘(『Himmelborgen』)のようなAuro-3Dソフトを再生するときは、はっきりとその役割が分かります。

 

では、例えば、ピアノソロの時はどうでしょうか?フロントハイトLCRであれば、なんとなくグランドピアノの屋根板が反響板として開かれているのが「見えるような気がする」(笑)音場の演出に効果があるような気がするとは思います。

 

じゃあ、サラウンドハイトは??? まあ、ホール感を醸し出してくれているんだろうな、ぐらいのイメージでしょうか。それもそうなんですが、実はサラウンドハイトって、音の遠近感・奥行き感の演出に於いて、重要な役割をしているのですよ。

 

このブログを熱心に読んでいただいている方(笑)はご記憶だと思いますが、伊豆の拙宅で、昨秋、サラウンドハイトSPSonetto Iから、Sonetto IIへアップグレードしました

 

その時の狙いは、第二層レベルにSWを設置したことと相まって、「低域による上方空間の包まれ感」を充実させたい、ということでした。

 

その後、ちゃんとしたサラウンドハイトの強化の成果の報告記事を書いていなかったのですが、実は、直後の入交Auro-3D録音エンジニアの訪問の際に、サラウンドハイトの役割についてもいろいろなお話を伺っていたのです(先日、拙宅にお見えになったMyuさんとKKさんには少し紹介しました)。入交さんとのやり取りは多岐にわたったのでその時の訪問記事には書いていないことはもちろんたくさんあり、この「サラウンドハイトの役割」のお話ももはや正確な記憶ではなくなってきていました(汗)。

 

そんな中、実は先日、東京の書斎のサラウンドハイトSPを交換しまして。そして、さらにその直後に、Siltechさんのブログで、「前方の奥行き感は、Auro3Dさんの方が、明らかに深い」という書き込みがあって、この入交さんとのディスカッションの記憶が鮮明によみがえったのです! これを忘れないうちにと思い、今回、記事にして記録しています。

 

まずは今回の東京の書斎のAuroシステムの変更点を簡単にご紹介します。

 

変更したのは、Yamaha NS-1000MM → KEF Q300 です。KEFは以前、二階のリビングのテレビ用AtmosシステムのサラウンドSPとして使っていたものなのですが、妻から「デカすぎるし、ブラックが部屋のインテリアに合わない」とダメ出しが出て、小さくてWoodyな書斎のサラウンドハイトの1000MMと交換する羽目になったというのが裏事情です(汗)。

 

ちなみに、両者のSpecは以下の通りです。

 

Yamaha NS-1000MM (1999年)

方式

3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型・防磁タイプ

使用ユニット

低域用:12cmコーン型
中域用:2.5cmドーム型
高域用:1.5cmドーム型

周波数特性

70Hz~20kHz

出力音圧レベル

85dB/W/m

許容入力

60W

最大入力

150W

インピーダンス

外形寸法

150x高さ275x奥行180mm

重量

3kg

付属

スピーカーコード(10mx2)
壁掛け用取付金具

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KEF Q300 (2010年)

基本仕様

タイプ 

ステレオ

形状

ブックシェルフ型

販売本数

2本1

WAY 

2 WAY

搭載ユニット数 

2

出力音圧レベル

 87

インピーダンス 

8 Ω

許容入力 

120 W

再生周波数帯域

42Hz~40KHz

バスレフ型

前面ポート 

カラー

木目系

 ウーファー径

16.5センチ 

サイズ・重量

x高さx奥行

210x355x302 mm

重量

7.7 kg

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大きさも重さもさることながら、f特の最低再生周波数が70から42に下がったのが目立ちます。低域再生能力が「たった3Hz下がっただけ」のSonetto IからIIへの交換で驚いた自分にとって(笑)、30Hz近い差が巨大なものであることは聴く前からさすがに分かります。

 

瓢箪から駒(汗)ではありましたが、伊豆の拙宅に次いで東京の書斎のAuroシステムでもサラウンドハイトを強化したわけですが、その成果の一つが、今日のお題である、正面の音像の距離感・奥行き感の増加であることは言うまでもありません。

 

で、ここから先が今回の記事のキモです(笑)。

 

なぜ、サラウンドハイトを強化すると、正面の音像の距離感・奥行き感が増加するのか?サラウンドハイトの位置は、LPより後方上方なのに??? 理屈っぽい方(理論派ともいう=笑)は、この<論理・機序>が気になりますよね?(笑)

 

ここから先は私の記憶に基づく、入交さんとの議論のエッセンスです。記憶違いがあるかもしれませんので、理論的に間違っていると思われたらご指摘いただければ幸いです。

 

<人間は、「音の遠近感」を、何をもって判断するか?>

 

  • 音の大きさ

これは一番イメージしやすいと思います。遠ければ音は小さく、近ければ大きい。

 

しかし、もし、あなたの耳のすぐ近くを蚊が飛んだらどうでしょうか?蚊の音はどんなに小さくても、あなたはそれがすぐ自分の近くにいると判断すると思います。これは仮に、2M先のテレビから耳元で測定した時に同じ音量となる「蚊の羽音」が再生されていても、ホンモノの蚊の音の方が「近い」と判断できるのが人間の耳です。つまり、音の大小だけでは、それが連続的に変化する、つまり「だんだん大きくなる」か「だんだん小さくなる」時のみ、遠近感を判断する決定的な要因になるのに過ぎないというのです・・・

 

  • 音の明瞭度

これは、耳元での音量が同じでも、遠くから発せられた音(例えば大声)は、近くから発せられた音(例えば耳元でのささやき声)より、明瞭度が落ちるため、それを遠近の判断基準にしている、という理論です。遠いほど明瞭度が落ちる理屈は簡単で、音は空気を伝わってくるために、風や空気中の水分などで拡散されるからだそうです。だから、夏より冬の方が雷鳴は「くっきり聞こえる」のです(冬の方が空気中の水分が少ない)。

 

しかし、もし、あなたがマスクをして誰かの耳元で囁いたら、それを聴いた人は「遠くで話をしている」と勘違いするでしょうか?マスクをすれば、音の明瞭度は下がります(拡散するため)が、恐らく、普通の人は、「だまされない」でしょう。つまりこの「音の明瞭度」だけが決定要因でもないようなのです・・・

 

  • 直接音と反射音(残響音)の比率

上記二つの要因に加え、人が音の遠近感を判断するのに重要なのは、この「直接音」と「反射音・間接音・残響音」の<比率>なんだそうです。

 

つまり音の発振源が近ければ、「直接音」の比率が上がり、遠ければ「反射音」の比率が上がります(もちろん、この現象は先の「明瞭度」とも関係しています)。音は球状に拡散するからです。この「直接音」と「反射音」は、マイクロセコンド?という時間のズレがあるのが機械で測定すればわかるのですが、なんと人間の耳はこの「時間差」を聞き分けられるのだとか。

 

さて、ここでやっと「サラウンドハイトSP」の登場です!(笑) 例えばピアノソロの再生に於いて、主音(直接音)はLCRが担当するでしょう。一部、HLCRもその役割を担うかもしれません。では、「サラウンドハイトSP」はこの場合、ピアノの何の音を担当するかというと、「反射音」なんですよね!!!つ・ま・り、「反射音成分」が正しくサラウンドハイトチャンネルに録音されているAuro-3D Nativeソースを、「正しい」サラウンドハイトのSP「位置」で、「正しく(f特や位相など)」再生されると、奥行きを持って配置されているオーケストラなどの各楽器の遠近感がはっきりわかるようになるんですよ!!!

 

入交さんによると、これはどんな立派なシステムでも理論的に 2chでは正確には再現不可能な音場感なんだそうです。

 

ただし、Auroシステムならすべてこのような「遠近感」がきれいに再現できるわけではない、とくぎを刺されました(汗)。必要条件としては、先に書いたサラウンドハイトが「正しい位置」にあることと、そのSPの能力が十分に高いことに加え、<LCRの後ろの空間が十分にあり、LCRから球状に放射されている音波がLCRの後方でも乱れずに交差していること>というのがあるそうです。普通のオーディオマニアは、SPの<前方で>音波がきれいに交差する、というのには心を砕いているけれども、それと同様に<SPの後方の空間で>きれいな音場が形成されていないとサラウンドハイトが再生する「反射音」の効果が薄れるのだそうです(ちょっと私では詳しい理屈はよく分からなかったが、確かに2chでも後ろの壁にぴったりつけていると立体感が出にくいのは誰でも経験してますよね・・・)。

 

ちなみに、この時にはそこまで議論が進みませんでしたが、今考えれば、同じ論理で、「サラウンドバックSP」(第一層を7chにしている場合)も、同様の役割(反射音の再生)を果たしていると言えるのではないでしょうか?東京の書斎のシステムは551なのですぐには確かめようがなく、今度伊豆に行ったら実験してみたいのですが、確かに伊豆のシステムの方がAuro-3D Nativeソースのピアノやチェロなどの再生なら確実に「奥行き感」はあるなあ・・・(部屋のせいかと思っていたが・・・)。第一層を7chにしている方は是非試してみてください!7chの新たなメリットの発見になるかも?(笑)

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以下のレス欄にあるように、拙記事を参考にCmiyaji邸でサラウンドハイトSPの位置を修正(サラウンドの真上に移動させた。以前はリアハイトの位置にあった)をしたら、とても効果があった(詳細はレス欄参照)とのご報告があり、お写真もお送りいただいたので、ここに掲載させていただきますね。

 

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