ついに、拙宅でも(汗)、RoonでAuro-3Dのファイルが再生できるようになりました!
これは、Roonにお詳しく、すでに実践しておられる方から見れば、「何を今さら」な記事なのですが、「手持ちのユニバーサルプレーヤーが死んだらどうしよう?」と不安に思っている方も少なくないと思いますので、その後釜候補の選択肢の一つにRoonがあり、「私のようなIT弱者でもできる!」という<安心情報>のお届けです(笑)。
最初に、本件の「問題の背景」を説明しておきますと、このブログを読んでおられる方は、Auro-3Dの現時点で入手可能なNativeソースには、BDで提供されるもののほか、ダウンロードで購入できるファイル形式のものと二つあることはよくご存じと思います。しかし、実際にこのダウンロード版を楽しんでおられる方は、どのくらいいるのでしょうか?
ダウンロード版のAuro-3D Nativeソースは、ヨーロッパの音楽レーベルで徐々に扱いが増え始めておりますが、基本的には、5.1chのPCMファイル(WavまたはFlac)の形式をとっています。これを正しくデコードできると、9.1chのAuro-3Dソースとして再生できるのですが、結構ここにハードルがあります。デコーダー自体は、AVアンプ側にあるので、それを媒介するもの(BDならBDプレーヤー、ファイルならPCなど)と単純にAVアンプをつなげばちゃんとAuro-3Dを聴けるかというと、必ずしもうまくいくとは限らないんですよね、これが。
AVアンプ側で正しく5.1chを9.1chに展開する(Auroデコード)には、受け渡された5.1chソースが「無傷」?でなければダメなんです。私は素人なので、「無傷」なんて表現を使っていますが、恐らくもっと電子工学的な表現があるとは思います(汗)。どうも、途中で、ほんの少しでも何らかのデジタル的な改変が入ると、途端にAuroデコードができなくなり、「只の5.1ch」として認識されて再生されてしまいます。
これは今回取り組んだPC経由のファイル再生より断然機能的には安定しているはずのネットワークプレーヤーですら、うちのOPPO205経由だとたまに「傷がつく」らしく、そのデータのAuroデコードにAVアンプが失敗することがあるほどです(その場合は、HDMIケーブルを指し直したり、BDプレーヤーを再起動したりする必要があります)。
さて、Roonについては今更説明の必要はないと思いますので、ご存知の無い方はリンク先を見てください。https://roon.app/ja 実は私にこのRoonの導入を進めてくれたのは、「友の会」の仲間のTomyさんで、当初からAuro-3Dファイルの再生のために使い始めたものの、実はお恥ずかしいことに、導入してから1年以上、Auro-3D再生ができず(泣)、伊豆ではAuro-3Dのファイル再生はOPPO205に任せ、東京の書斎で単なる5.1chファイルの再生用に使っていたのです。
今回、このRoonでようやくAuro-3D再生ができるようになった裏には、長年に渡るTomyさんのサポート(時には、伊豆で直接、時にはZoom経由でのご指導…)があったことを、感謝の意を込めてここに明記しておきたいと思います。ほんの些細な、私の勘違いというかミスに気付いた、というのが、今回の記事の主旨ですが、はっきり言って、ほとんどの設定はTomyさんにやっていただいたことを正直に告白しておかねばなりません(ゆえに、特にRoon側の設定に関しては私は全く解説ができないという、不十分な記事になっております・・・汗)。
以下、写真メインで事の顛末を。以下、使用PCはMac Book Pro(M1コアモデル)、導入済みソフトはωプレーヤーとRoon、接続先のAVアンプは、DENON AVR-X3800HとStorm Audio ISP-MK2です。
- ωプレーヤー経由で、Auro-3D Native 13.1ch ソフトを3800で再生しているところ(ただし、3800側の機能が1ch止まり)。左上のSignal(入力フォーマット)を、Auro-3D/PCMと正しく認識し、真ん中下の「入力チャンネル」が正しく13chすべてがActiveになっているのが分かる
- こちらは、ダウンロードしたAuro-3DファイルをRoonで再生しようとしているところ。赤丸で囲んであるところに、「Flac 96Khz 24Bit 5.1」と表示されている。これは、このダウンロードファイルのデコード前の形式。
- 今までは、このファイルを再生しようとすると、このような画面が出ていた。Signalは単なるPCMとしか認識されておらず、InputもハイトSPに信号が無く、「タダの第一層だけの音源」となってしまっていた(ただし、ここでデコード前のソースは「5.1ch」なのに、「7.1ch」となっているのが問題だった…)。
- 上記と同じファイルを今回、Auro-3Dデコードすることに成功した「証拠」! Signalをωプレーヤー経由の時と同様に、正しく「Auro-3D/PCM」と認識しており、Input も元の1chが正しく展開されたことを示す、9.1chになっている(第二層の4chに信号があり、サラウンドバックに信号が無い点に注目)。
- ISP MK2でも同様に、正しく「Auro-3D 96kHz 9.1」と認識された。
- 今まで、ωプレーヤー経由では正しくAuro-3Dデコードができていたのに、Roon経由だとAuro-3Dファイルが認識されないのがずっと不思議だったのだが、その理由をやっと見つけた・・・拙宅の場合、この二つのソフトを同じMacに入れていて、最初に入交さんに設定していただいたときに、ここの「フォーマット」の部分が、WOWOWの提供するストリーミングのフォーマットの規格、つまり、「8ch 24ビット整数 48.0kHz」となっていたのだった!ダウンロード購入できるAuro-3Dファイルは、5.1ch(=6ch)の96/24だったので、ωプレーヤーで再生するときとRoonで再生するときとで、ここの設定を変更しないといけなかったのである。つまり、ソフトのフォーマットに完璧に合わせて、「無傷」のままAVアンプに送り届ける必要があるのに、WOWOWのストリーミングによるAuro-3Dの形式とダウンロード購入したAuro-3Dファイルの形式が異なっていることに気が付かずに、PC側の送り出しの設定を同じにしていたため、Roon経由ではAuro-3Dファイルを「キズモノ」にして、AVアンプに届けていたことになる・・・くれぐれも対象ファイルをPCで「キズモノ」にしないよう、皆さんもお気を付けください(笑)。
ということで、HDMI端子のあるPCとRoonソフト、それにAuro-3D対応のAVアンプさえあれば、結構増えてきたAuro-3DのNativeソフトによる音楽再生がご自宅で楽しめますよ(とっくに知っているって?・・・笑)、というお話でした。これは、今、OPPOやPioneerのユニバーサルプレーヤーを使ってAuro-3Dファイルの再生している人には「朗報」ではないでしょうか。ユニバーサルプレーヤーの「後釜」が無い現状、205や800がお亡くなりになったら、買いだめをしたAuro-3Dファイルがただの5.1chソフトになってしまう懸念を、取り敢えずは拭えるのですから。
でもSACDマルチDiscをHDMIでAV機器に送れるプレーヤーの新製品はないが・・・(泣)
今後、実ディスクはどんどん無くなって、ストリーミングかダウンロードファイルがオーディオの主要音源になることはほぼ確実だろうから、Auro-3Dのファイル再生の研究はこれから重要になる。実は今、「友の会」の中では、きょやさんとTomyさんが熱心に取り組んでおられるので、今後の成果報告を楽しみにしたい。
11/20追記
Tomyさんが早速、
1万6千円のROON SERVERや如何に?
というタイトルで、記事を書いてくれました!
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コメント
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Auro3Dさん
ROONでによるAuro3D再生の成功、おめでとうございます。良かったですね!
これで、東京の書斎、伊豆ともに全てOKになったわけですよね。ホット、安堵しました(笑)。
SACDマルチを再生してHDMIで送り出すプレーヤーのことですけど、Sonyのブルーレイプレーヤーなら低価格のものでも可能じゃないかと思います。一度調べてみてください。
投稿: Tomy | 2023年11月21日 (火) 17時58分
Tomyさん
>ROONでによるAuro3D再生の成功、おめでとうございます。良かったですね!
>これで、東京の書斎、伊豆ともに全てOKになったわけですよね。ホット、安堵しました(笑)。
すべて、Tomyさんのお陰です!感謝しています!!!ただ、入れ替わりに(?)ωプレーヤーが使えなくなるのが・・・先週末、伊豆での「聴き収め」をして参りましたが、Tomyさんもよくご存じのとおり、ダウンロード版の9.1chやBD版の11.1chとは、再生品質であきらかに一線を画す、音楽ソースでは唯一の13chNativeソフトでしたのに。今も、「伊豆で最後に聴いた音」が耳に残っていて、書斎のボロシステムなら今月末まで再生はできるのですが、「今後、しばらくは、今<記憶>している音質・音像・音場を自分の中のReferenceにするしかない」ので、この<記憶>をOverwriteしたくない気持ちと、書斎の音であっても「あと10日間楽しめるだけ楽しみたい」という気持ちとのせめぎあいの最中で・・・(笑)
>
>SACDマルチを再生してHDMIで送り出すプレーヤーのことですけど、Sonyのブルーレイプレーヤーなら低価格のものでも可能じゃないかと思います。一度調べてみてください。
これは「超低価格機」のことですよね?(営業妨害と言われないように、機種名は伏せます=笑)前に調べたことがあるのですが、さすがに、一応(笑)、オーディオマニアの端くれ、に入れていただきたい身としては(汗)、これを使うのは・・・(笑)。同様にフランスの某R社のものもあるのは知っていますが・・・パイオニアから最後のユニバーサルプレーヤーが出る、という噂を聞いたことはあるんですがねぇ(泣)。
先日、K&Kさんとも話したのですが、SACDマルチって、決して安くなくて、それを私のような入門者でも100枚以上は購入しています。それらがすべて、「ただのコースター」と化す日が来るのだけは避けてほしい・・・
投稿: Auro3D | 2023年11月21日 (火) 23時46分
追伸
Macを使うと、MacのMIDIの設定と、ROONのMac経由のDevice設定と二つあって、両方ともうまく設定しないとAuro3Dの再生が上手く行かないですけど、NUC+ROCKだと一つだけで済んでしまいます。NUC+ROCKは、Auro3D友の会むきでしょう?(笑)
投稿: Tomy | 2023年11月21日 (火) 23時48分
Auro3Dさん
こちらでは、はじめまして。
宜しくお願いしたします。
YAMAHAのRX-A8Aを導入して、Auro3D環境が出来たのですが、
さあ、Auro3Dを聴いてみようと思ったのですが、コンテンツの入手先がイマイチ分かりません。
これからの時代は、やはりネット配信が中心になるのでしょうか?
投稿: ヤスダッシュ | 2023年11月22日 (水) 18時33分
ヤスダッシュさん
>YAMAHAのRX-A8Aを導入して、Auro3D環境が出来たのですが、
>さあ、Auro3Dを聴いてみようと思ったのですが、コンテンツの入手先がイマイチ分かりません。
>
Auro-3D環境の導入、おめでとうございます。これから情報交換をよろしくお願いします。
コンテンツはダウンロードならとりあえず、
https://www.nativedsd.com/
当たりから探してみるのがよいと思います。
BDを購入するなら、HMVとかで、「2L」レーベルのものを探してみてください。
お聴きになることができたら、是非感想をお聞かせください!
投稿: Auro3D | 2023年11月22日 (水) 23時22分
Auro3Dさん
入手先の情報、有り難うございます。
聴いたら感想を書き込みたいと思います。
投稿: ヤスダッシュ | 2023年11月23日 (木) 09時28分
Auro3Dさん
感想が遅くなり申し訳有りません。
『マニフィカト~アルネセン、カーニス、ヤイロ』を聴いてみました。
今まで、立体音響の音楽といえば、アマゾンミュージックのドルビーアトモス位しか聴いたことがなかったので、かなりびっくりしました。
リビングシアターの5.2.4ch環境で、音質どうこう言える環境ではないのですが、これこそが本当の立体音響の音楽なのかと思いました。
RX-A8Aを使用して、ちょっと気になったのは、Auro-3DにシネマDSP(ミュージック系)を掛けることが出来ない事です。(掛ける必要が無いとの判断かもしれませんが)
Auro-3Dにかなり興味をもって、映画の方のAuro-3Dはどうなんだろうと調べていたのですが、日本で販売されている物は殆どドルビーアトモスばかり。
Auro-3D採用の映画は無いかと探していたら、ホラー映画の金字塔The Texas Chain Saw Massacre(邦題「悪魔のいけにえ」)のドイツ版がAuro 13.1収録と知り、購入してみました。
時間がまだあまり取れず、Auro 13.1収録の確認をしただけでじっくり鑑賞出来ていないので、ドルビーアトモスとAuro-3Dを聴き比べた感想をまた報告したいと思います。
投稿: ヤスダッシュ | 2023年12月 7日 (木) 18時34分
ヤスダッシュさん
律儀にわざわざのご報告、ありがとうございます!
>感想が遅くなり申し訳有りません。
>『マニフィカト~アルネセン、カーニス、ヤイロ』を聴いてみました。
>
>今まで、立体音響の音楽といえば、アマゾンミュージックのドルビーアトモス位しか聴いたことがなかったので、かなりびっくりしました。
>リビングシアターの5.2.4ch環境で、音質どうこう言える環境ではないのですが、これこそが本当の立体音響の音楽なのかと思いました。
これは、是非、ヤスダッシュさんがご活躍されている、『価格コム』の方でも紹介してあげてください。このブログのタイトルにある、我々「Auro-3D友の会」はAuro-3Dを絶滅危惧種から救うのが目的なので(汗)、このブログとは比べ物にならない影響力のある『価格コム』の方でファンの多いヤスダッシュさんのような方に「誉めていただければ」(笑)、この上ないアシストなので!
>
>RX-A8Aを使用して、ちょっと気になったのは、Auro-3DにシネマDSP(ミュージック系)を掛けることが出来ない事です。(掛ける必要が無いとの判断かもしれませんが)
本件は、昔、Phileweb Communityというサイトがあったときに、そちらで記事にしたことがあります。今はその残滓が以下に残っています。
https://philm-community.com/auro3d/user/diary/2022/02/02/9825/
実は、私は初めて購入したAVアンプがヤマハのAZ-1というやつで、もう20年以上前のことです。ヤマハは当時からAuro-3Dで言うところの「フロントハイト」などを独自に規定していて、高さ方向にも広がりのある独自のDSPを持っていました。A8AがAtmosとは「シネマDSP」をかけ合わせられるのに、Auro-3Dとは掛け合わせられない仕様にしているのは、Auro-3Dがチャンネルベースであることに加え、スピーカー配置の類似性からみてヤマハオリジナルのDSPとコンセプトが似ているからかもしれません。
>
>Auro-3Dにかなり興味をもって、映画の方のAuro-3Dはどうなんだろうと調べていたのですが、日本で販売されている物は殆どドルビーアトモスばかり。
>Auro-3D採用の映画は無いかと探していたら、ホラー映画の金字塔The Texas Chain Saw Massacre(邦題「悪魔のいけにえ」)のドイツ版がAuro 13.1収録と知り、購入してみました。
これについては、私は映画はメインではないのですが、一応、Auro-3Dのフルフォーマットの映画はいくつか「プレゼン用に」(笑)持っています。特に、Auro-3Dらしさ(つまり、センターハイトとTopの活躍=ただしヤマハは未対応のはず)が発揮できるおすすめソフトとしては、『Twister』という竜巻映画と、『Blade Runner 2049』あたりです。いずれも同様にドイツ版だったと思います(いくつか、関連する記事が上記サイトにも残っていると思います)。
>時間がまだあまり取れず、Auro 13.1収録の確認をしただけでじっくり鑑賞出来ていないので、ドルビーアトモスとAuro-3Dを聴き比べた感想をまた報告したいと思います。
是非、お待ちしております!(『価格コム』のA8Aの「クチコミ」での方がありがたいかも!!!=笑)
投稿: Auro3D | 2023年12月 7日 (木) 21時52分
Auro3Dさん
お返事ありがとうございます。
価格.comでのAuro-3Dの布教活動頑張ってみます!!
投稿: ヤスダッシュ | 2023年12月 8日 (金) 17時43分
ヤスダッシュさん
>
>Auro3Dさん
>
>お返事ありがとうございます。
>価格.comでのAuro-3Dの布教活動頑張ってみます!!
よろしくお願いします!!!会を挙げて、精一杯フォローさせていただきますね!!!
投稿: Auro3D | 2023年12月 9日 (土) 17時50分